令和07年度 第110回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 230,231

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問 230  正答率 : 61.9%
問 231  正答率 : 53.7%

 国家試験問題

国家試験問題
新聞報道で、致死率の高い感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を知った中学生(14歳)と父親がドラッグストアに来局した。この親子は、夏休みに登山をすることになったので、SFTSとその感染を防ぐための方法を教えて欲しいとの相談があった。

問230(衛生)
SFTSに関する説明内容として正しいのはどれか。2つ選べ。

1 感染症法(注)においてSFTSが含まれる四類感染症は、全数報告対象とされている。


2 原虫によって引き起こされる感染症である。


3 ダニが媒介する感染症である。


4 SFTSに対するワクチンがある。


5 感染者との接触及び血液を介した感染のおそれはない。



(注)感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律


問231(実務)
薬剤師はこの親子に、皮膚の露出を少なくするために長袖・長ズボンなどの衣服を着用することに加えて、虫よけ剤の使用を勧めた。虫よけ剤の活性成分として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 イミダクロプリド


2 ディート


3 イカリジン


4 ジクロルボス


5 ジフェンヒドラミン

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問 230    
問 231    

 e-REC解説

問230 解答 1、3

1 正
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、感染症法において四類感染症に分類される。一類感染症〜四類感染症に分類される感染症はすべて全数把握(全ての医療機関で届出)となっている。

2 誤
SFTSは、SFTSウイルスが病原体の感染症である。

3 正
SFTSは、主にSFTSウイルスを保有しているマダニに刺されることによって感染する。

4 誤
2025年3月現在、SFTSに対するワクチンは存在しない。

5 誤
SFTSは、感染者の血液や体液との接触によってヒト-ヒト感染する事例も報告されている。国内でも、2024年に初めてヒト-ヒト感染が確認された。


問231 解答 2、3

1 誤
イミダクロプリドはネオニコチノイド系農薬であり、殺虫剤として用いられる。原則人体には直接使用しない。

2 正
ディートは、蚊、アブ、マダニなどの吸血害虫に効果のある虫よけ成分であり、世界的に広く使用されている。ただし、12歳未満には使用制限がある。

3 正
イカリジンは、蚊、アブ、マダニなどの吸血害虫に効果のある虫よけ成分である。日本では2015年から販売されている比較的新しい虫よけ成分で、ディートと異なり年齢による使用制限はない。

4 誤
ジクロルボスは有機リン系農薬であり、殺虫剤として用いられる。原則人体には直接使用しない。

5 誤
ジフェンヒドラミンは抗ヒスタミン薬であり、かゆみ止めやアレルギー症状の緩和などに用いられる。

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