令和07年度 第110回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 300,301

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問 300  正答率 : 75.4%
問 301  正答率 : 70.2%

 国家試験問題

国家試験問題
55歳女性。45歳時に気管支ぜん息と診断されたことをきっかけに節煙した。しかし、仕事によるストレスで喫煙の回数と飲酒量がここ最近増えている。3年前から、ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤を使用していたが、効果不十分のため、半年前からは処方1の薬剤を使用している。その他の併用薬と副作用歴はない。

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今回もこの患者が処方1の処方箋を持って保険薬局に来局した。薬剤師が患者にインタビューしたところ、次の回答を得た。

患者:「きちんと吸入していますが、最近、咳が出て調子が悪いです。特に、花粉の飛散時期は咳が出やすいです。ピークフローメータをあまり使っていなかったので、もう一度、使い方と意義について教えてほしいです。」

問300(病態・薬物治療)
処方1の薬剤について特に注意すべき副作用はどれか。2つ選べ。

1 高カリウム血症


2 低血糖


3 間質性肺炎


4 動悸


5 口腔カンジダ症




問301(実務)
患者に対する薬剤師の説明内容として適切でないのはどれか。1つ選べ。

1 ピークフローメータは深呼吸をしてから口に加え、毎回同じ姿勢で測定する。


2 ピークフロー値は1秒量とよく相関し、ぜん息の状態を把握する指標となる。


3 ピークフローメータは息がもれないように吹き口を唇で覆い、できるだけすばやく一気に吹く。


4 ピークフロー値は一度に少なくとも3回測定し、最も低い値を記録する。


5 ピークフロー値の日内変動が大きい場合は、気道過敏性が亢進していると考えられる。

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問 300    
問 301    

 e-REC解説

問300 解答 4、5

1 誤
本吸入剤に含まれるビランテロールはアドレナリンβ2受容体刺激薬であり、副作用として低カリウム血症や動悸を引き起こすことがある。

2 誤
本吸入剤に含まれるフルチカゾンフランカルボン酸エステルは副腎皮質ステロイド性薬であり、副作用として高血糖や口腔カンジダを引き起こすことがある。

3 誤
本吸入剤に含まれる成分中に、間質性肺炎に注意すべきものはない。

4 正
解説1参照

5 正
解説2参照


問301 解答 4

ピークフローメータは気道狭窄の程度を客観的に評価するための最大呼気流量(PEF:peak expiratory flow)を測定する器具であり、取り扱いが簡単かつ場所を問わず測定可能である。また、PEF値(ピークフロー値)は1秒量との相関性も高いため、気管支ぜん息の長期管理に有用である。

1 適切
ピークフローメータは、誤差が出にくいよう毎回同じ姿勢(立位または座位)で測定する。

2 適切
前記参照

3 適切
ピークフローメータを使用する際は、深呼吸をしてから口に加え、息がもれないように吹き口を唇で覆い、できるだけすばやく一気に吹く。

4 不適切
ピークフロー値は一度に少なくとも3回測定し、最も高い値を記録する。

5 適切
ピークフロー値の日内変動が大きい場合は、気道過敏性が亢進しており、気温や日常活動により気道状態が変化しやすくなっていると考えられる。

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