令和07年度 第110回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 310,311

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問 310  正答率 : 61.1%
問 311  正答率 : 86.9%

 国家試験問題

国家試験問題
30歳男性。広告で見たかぜ薬を求めて来局した。購入希望のかぜ薬は要指導医薬品であった。薬剤師が症状など必要な情報の聞き取りをしたところ、この来局者が使用者本人であり、肩のこりや痛みで医師から処方された薬を服用していることがわかった。お薬手帳を持参しており、手帳に記載されていた薬剤以外に服用している薬剤やサプリメントはないとのことであった。

(来局者が購入希望したかぜ薬の成分)
ロキソプロフェンナトリウム水和物
ジヒドロコデインリン酸塩
d−クロルフェニラミンマレイン酸塩
dl−メチルエフェドリン塩酸塩
グアイフェネシン
無水カフェイン

(お薬手帳に記載されていた薬剤)
メコバラミン錠500 µg
葛根湯エキス顆粒

問310(法規・制度・倫理)
男性が購入希望したかぜ薬の販売に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 鍵のかかる陳列棚であっても、購入者が近づける設備は認められない。


2 説明した内容を購入者が理解したことを確認しなければならない。


3 一定の条件の下で特定販売(インターネット販売)が可能である。


4 薬局では販売できるが、店舗販売業では販売できない。


5 販売した薬局名のほか、販売した薬剤師の氏名も購入者に伝える必要がある。




問311(実務)
薬剤師は男性に、葛根湯はかぜにも適応があることと、葛根湯の注意事項等情報(添付文書)の併用注意に希望したかぜ薬の成分が記載されていることを説明した。このかぜ薬の成分のうち、併用注意の成分はどれか。1つ選べ。

1 ロキソプロフェンナトリウム水和物


2 ジヒドロコデインリン酸塩


3 d−クロルフェニラミンマレイン酸塩


4 dl−メチルエフェドリン塩酸塩


5 グアイフェネシン

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問 310    
問 311    

 e-REC解説

問310 解答 2、5

1 誤
薬局において要指導医薬品を陳列する際は、陳列設備から1.2 m以内の範囲に購入者が進入できないような措置がとられている必要があるが、鍵をかけた陳列設備など直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合は、この限りではない。
したがって、鍵のかかる陳列棚であれば、購入者が近づける設備であっても要指導医薬品の陳列を行うことは認められている。

2 正
要指導医薬品の情報提供の際には、要指導医薬品の購入者等が情報の提供及び指導の内容を理解したことの確認や質問の有無について確認する必要がある。

3 誤
要指導医薬品は特定販売(インターネット販売)が不可能である。なお、特定販売(インターネット販売)できる医薬品は、その薬局又は店舗に在庫している一般用医薬品又は薬局製造販売医薬品(毒薬及び劇薬であるものを除く。)である。

4 誤
要指導医薬品及び一般用医薬品は、薬局及び店舗販売業で販売することができる。なお、薬局では販売できるが、店舗販売業では販売できないものは薬局医薬品(医療用医薬品及び薬局製造販売医薬品)である。

5 正
要指導医薬品を販売する際は、販売した薬剤師の氏名、販売した薬局又は店舗の名称及び電話番号その他連絡先を購入者に伝える必要がある。


問311 解答 4

葛根湯には麻黄が含まれており、麻黄はエフェドリンやプソイドエフェドリンなどを含んでいる。そのため、来局者が購入希望したかぜ薬の成分の中で併用注意である成分はdl−メチルエフェドリン塩酸塩である。両剤を併用することにより交感神経刺激作用が増強され、不眠、発汗過多、頻脈、動悸、精神興奮等が現れやすくなるので、減量するなど慎重に投与する必要がある。

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