令和07年度 第110回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 340

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問 340  正答率 : 76.9%

 国家試験問題

国家試験問題
65歳男性。身長178 cm、体重75 kg。食道がんの術前・術後の栄養管理に栄養サポートチーム(NST)が介入することになった。術前においては、本患者の食道に通過障害はあるものの、水分摂取は可能で食道以外に障害はなかった。術後においても、水分摂取は可能であった。この患者に対する栄養療法に関する記述として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 術前の栄養管理は、経腸栄養療法は実施できない。


2 術後の栄養管理には、経腸栄養療法が適している。


3 末梢静脈栄養療法では1日で必要な糖質量を摂取できる。


4 経腸栄養剤としては、消化態栄養剤よりも半消化態栄養剤の方が適している。


5 経腸栄養療法よりも、中心静脈栄養療法の方が感染性リスクは少ない。

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問 340    

 e-REC解説

解答 2、4

1 誤
栄養療法において、消化管が機能している場合には経腸栄養療法を選択する。本患者は、術前において水分摂取は可能で食道以外に障害はなかったということから、食道以外の消化管は機能しており、経腸栄養療法を実施することが望ましい。

2 正
本患者は術後においても水分摂取は可能となっており、消化管が機能していることから経腸栄養療法が適している。

3 誤
末梢静脈栄養療法では、血管への刺激や血管炎を防ぐために投与可能な輸液の浸透圧が体液浸透圧の2〜3倍までに制限される。そのため補給できるエネルギー量が十分でなく、1日で必要な糖質量を摂取できない。

4 正
本患者は食道以外の消化管は機能していることから、消化の過程を必要としない消化態栄養剤よりも消化の過程を必要とする半消化態栄養剤の方が適している。

5 誤
経腸栄養療法よりも、中心静脈栄養療法の方が感染性リスクは高い。

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