平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 135

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問 135  正答率 : 53.5%

 国家試験問題

国家試験問題
表は、放射性物質131I、134Cs、137Cs及び90Srの物理学的半減期並びに成人における生物学的半減期を示している。これらの放射性物質に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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1 131Iは甲状腺、134Cs及び137Csは骨、90Srは筋肉組織に蓄積しやすい。
2 生物学的半減期は、壊変により親核種の放射能が半分になるまでの時間である。
3 乳児や幼児における131Iの生物学的半減期は、表に示した成人の半減期より短い。
4 物理学的半減期の値より、32日後における131Iの放射能は約4分の1になる。
5 実効(有効)半減期は、134Csに比べて137Csの方が長い。

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問 135    

 e-REC解説

解答 3、5

1 誤
131Iは甲状腺、134Cs及び137Csは筋肉組織、90Srは骨に蓄積しやすい。

2 誤
生物学的半減期とは、体内の放射性核種が代謝、排泄によって半分になるまでの時間のことである。なお、壊変により親核種の放射能が半分になるまでの時間を物理学的半減期という。

3 正
乳児や幼児における131Iの生物学的半減期は、成人よりも代謝が速いため、表に示した成人の半減期より短くなる。

4 誤
放射壊変は、1次反応で表すことができ、半減期の4倍の時間である32日後における131Iの放射能は(2分の1)4より約16分の1になる。

5 正
実効(有効)半減期(Te)は、物理学的半減期(Tp)と生物学的半減期(Tb)から次式(①式)より求めることができる。
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134Csの実効(有効)半減期(Te)は表に記載されている物理学的半減期(Tp)=2年(730日)と生物学的半減期(Tb)=90日を①式に代入して、以下のように計算される。
スクリーンショット 2018-08-10 18.06.20.png
37Csの実効(有効)半減期は表に記載されている物理学的半減期(Tp)=30年(10950日)と生物学的半減期(Tb)=90日を①式に代入して、以下のように計算される。
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したがって、実効(有効)半減期は、134Csに比べて137Csの方が長い。

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