平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 327

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問 327  正答率 : 44.3%

 国家試験問題

国家試験問題
58歳男性。仕事が忙しくきちんと食事をとれていなかった。2日前から、下肢の筋肉けいれんが頻発するため病院を受診した。血液検査の結果、低カルシウム血症(血清カルシウム値7.0 mg/dL)であることが判明し、医師は下記の薬剤を処方した。処方に基づいて調製された輸液のカルシウム濃度(mEq/mL)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、グルコン酸カルシウム水和物の分子式はC12H22CaO14・H2O、分子量は448.4、カルシウムの原子量は40とする。

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問 327    

 e-REC解説

解答 4

処方に基づいて調整された輸液中のカルシウムの電解質量(mEq)はグルコン酸カルシウム注射液8.5%より供給される。なお、計算に用いられる電解質量は以下のように計算される。
 電解質量(mEq)=モル数(mmol)×価数

本処方に含まれるグルコン酸カルシウム水和物850 mgのモル質量(mmol)は以下の通り。
 850 mg÷448.4 g/mol≒1.9 mmol

グルコン酸カルシウム水和物の分子式(C12H22CaO14・H2O)より、グルコン酸カルシウム水和物1 molに対して、Ca2+が1 mol含まれているため、本処方に含まれるCa2+のモル質量(mmol)も1.9 mmolとなる。Ca2+の1.9 mmolを電解質量に換算すると、1.9 mmol×2価=3.8 mEqとなる。なお、グルコン酸カルシウムの解離は以下の通りである。

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また、今回の輸液の総量はグルコン酸カルシウム注射液8.5%の10 mLと生理食塩液の90 mLを合わせた100 mLとなるので、本輸液のカルシウム濃度(mEq/mL)は、
 3.8 mEq÷100 mL=0.038 mEq/mLとなる。

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