平成27年度 第100回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 112

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問 112  正答率 : 63.0%

 国家試験問題

国家試験問題
神経細胞では、さまざまな刺激によって膜電位の変化が生じる。図(1)及び(2)は、異なる刺激に伴う神経細胞の膜電位の経時変化を示している。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、図の横軸は時間、縦軸は膜電位を示す。
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1 Aで示した電位は静止膜電位と呼ばれ、通常0 mVである。
2 静止膜電位は、主にCa2+チャネルによって形成される。
3 Naが細胞内へ流入すると、図(1)矢印(あ)のように膜電位が変化する。
4 Kが細胞内へ流入すると、図(1)矢印(い)のように膜電位が変化する。
5 Clが細胞外へ流出すると、図(2)のように膜電位が変化する。
6 図(2)のように、膜電位変化を生じさせる神経伝達物質として、γ-アミノ酪酸(GABA)がある。

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問 112    

 e-REC解説

解答 3、6

1 誤
Aで示した電位は静止膜電位と呼ばれ、神経細胞では、通常、-60〜-90 mVである。

2 誤
静止膜電位とは、興奮していない状態の細胞内の電位であり、主にKチャネルによって形成される。興奮していない状態の細胞では、細胞膜に存在するNaチャネルは閉口しているが、Kチャネルは一部開口しているため、細胞内からKが流出し、細胞内の電位がマイナスとなり、静止膜電位を生じる。

3 正
Naチャネルが開口し、Naが細胞内へ流入すると、脱分極が起こり、細胞内の電位がプラスになる。

4 誤
Kが細胞外へ流出すると、図(1)矢印(い)のような再分極が起こる。

5 誤
Clが細胞内へ流入すると、図(2)のような過分極が起こる。

6 正
γ−アミノ酪酸(GABA)は、Clチャネル内蔵型受容体であるGABAA受容体に結合することで、Clチャネルを開口させ、細胞内へのClの流入を促進し、図(2)のような過分極を起こす。

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