令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 113

Pin Off  未ブックマーク    |  |  |   
問 113  正答率 : 68.2%

 国家試験問題

国家試験問題
下図は、細胞周期を表しており、G1期 →   ア期   → G2期 →   イ期   → G1期の順に連続して起こる事象を経て、2つの娘細胞になる過程を示している。次の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

スクリーンショット 2023-06-09 16.07.18.png


1   ア期   に、DNAが合成される。


2   イ期   が進行するには、微小管の働きが必要である。


3   ウ期   の細胞が多い細胞集団は、細胞増殖が速いと考えられる。


4 細胞周期の進行には、周期に応じて活性化されるキナーゼが関わっている。


5 がん抑制遺伝子産物には、細胞周期の進行を止めるタンパク質がある。

 解説動画  ( 00:00 / 0:00:00 )

 ビデオコントロール

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 113    

 e-REC解説

解答 3

細胞周期において、G1期の体細胞が細胞分裂をする際、まずS期においてDNAが合成され、細胞内DNA量が2倍となる。その後、G2期を経て有糸分裂によりM期で2つの体細胞に分裂する。
このサイクルを細胞周期という。なお、活発に増殖する細胞を除き、必要に応じてG期で増殖の休止を行うことで体細胞としての機能を発揮している細胞も多い。
したがって、本問の図中の ア期 はS期、 イ期 はM期、 ウ期 はG期である。

1 正しい
  ア期   はS期であり、DNAの合成が行われる。

2 正しい
  イ期   はM期であり、M期では微小管は中心体から伸び、紡錘糸として染色体の動原体に結合することで、染色体を両極に移動させる。

3 誤っている
  ウ期   はG期であり、G期では増殖の休止を行っているため、細胞増殖が遅いと考えられる。

4 正しい
細胞周期の進行には、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)及びサイクリンなどが関与する。

5 正しい
がん抑制遺伝子産物には、細胞周期の進行を止めるタンパク質としてp53タンパク質などが知られている。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします