平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 128

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問 128  正答率 : 62.4%

 国家試験問題

国家試験問題
コーヒー摂取と発がんとの関係を調べるため、10,000人を対象として10年間のコホート研究を行った結果、コーヒー摂取(1日4杯以上)の有無によって肺がん発症率には差が見られないというデータが得られた(表1)。そこで、コーヒーを多飲する人には、喫煙者が多いのではないかと考え、さらに解析を行った(表2)。
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この解析に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 喫煙(1日5本以上)による肺がん発症の相対危険度は6.0と計算される。


2 喫煙1日5本未満の者では、コーヒー摂取(1日4杯以上)が肺がん発症の相対危険度を低下させることがわかる。


3 喫煙者(1日5本以上)の肺がん発症の相対危険度に、コーヒー摂取は影響を与えないことがわかる。


4 コーヒー摂取1日4杯未満かつ喫煙1日5本未満である群が、最も肺がんの罹患率が低いことがわかる。

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問 128    

 e-REC解説

解答 2、3

コホート研究(要因対照研究)は、特定の要因に曝露した集団と曝露していない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる手法である。コホート研究の結果から相対危険度を算出することができる。相対危険度は、要因と疾病の関連の強さを表し、因果関係の判定に用いられる。なお、相対危険度が1を上回る場合、要因曝露によって疾病の発症率が増加したことを意味し、相対危険度が1を下回る場合、要因曝露によって疾病の発生率が低下したことを意味する。
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1 誤
喫煙(1日5本以上)による肺がん発症の相対危険度は、以下のように求められる。
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よって、喫煙(1日5本以上)による肺がん発症の相対危険度は2.5である。

2 正
喫煙1日5本未満の者で、コーヒー摂取(1日4杯以上)による肺がん発症の相対危険度は、以下のように求められる。
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相対危険度が1を下回ることから、喫煙1日5本未満の者では、コーヒー摂取(1日4杯以上)が肺がん発症の相対危険度を低下させることがわかる。

3 正
喫煙者(1日5本以上)で、コーヒー摂取(1日4杯以上)による肺がん発症の相対危険度は、以下のように求められる。
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相対危険度が1.0であることから、喫煙者(1日5本以上)の肺がん発症には、コーヒー摂取は影響を与えないことがわかる。

4 誤
表2より、それぞれの群の罹患率は以下のように求められる。
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よって、最も肺がんの罹患率が低いのは、コーヒー摂取1日4杯以上かつ、喫煙1日5本未満の群である。

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