平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 196,197

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問 196  正答率 : 55.5%
問 197  正答率 :

 国家試験問題

国家試験問題
65歳女性。体重50 kg。術後肺炎を発症し、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)と緑膿菌による複合感染症と診断され、アルベカシン硫酸塩とピペラシリンナトリウムの各注射液が静脈内投与された。なお、この女性の腎機能は正常である。

問196(実務)
アルベカシン硫酸塩の最も適切な投与法はどれか。1つ選べ。

1 1回50 mg、60分かけての点滴投与を1日1回、数日間にわたって実施した。


2 1回50 mg、4時間かけての点滴投与を1日1回、数日間にわたって実施した。


3 1回200 mg、60分かけての点滴投与を1日1回、数日間にわたって実施した。


4 1回200 mgワン・ショットでの静脈内投与を1日3回、数日間にわたって実施した。


5 1回200 mg、24時間かけての持続点滴投与を数日間にわたって実施した。




問197(物理・化学・生物)
アミノグリコシド形抗生物質とβ-ラクタム系抗生物質の両水溶液を混合して残存率を測定したところ、下のようなグラフが得られた。ただし、横軸は時間(h)、縦軸は抗生物質の残存率(%)を片対数プロットしたものである。このグラフでBは( ① )である。また、このグラフからBは( ② )に従って分解していると考えられる。①、②の組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。
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問 196    
問 197    

 e-REC解説

問196 解答 3

アルベカシン硫酸塩を成人に投与する場合の用法・用量を以下に示す。
通常、成人にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回150〜200 mg(力価)を30分〜2時間かけて点滴静注する。必要に応じ、1日150〜200 mg(力価)を2回に分けて点滴静注することもできる。また、静脈内投与が困難な場合、アルベカシン硫酸塩として、1日150〜200 mg(力価)を1回又は2回に分けて筋肉内注射することもできる。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
上記より、「1回200 mg、60分かけての点滴投与を1日1回、数日間にわたって実施した。」が最も適切な投与方法であるといえる。


問197 解答 解なし

本設問のグラフは、アミノグリコシド系抗生物質及びβ–ラクタム系抗生物質が単独で存在する場合の残存率の変化を示しており、設問のグラフより、両薬物を混合したときの残存率を確認することはできないため、「解なし」となった。
<設問のグラフから判断できること:単独投与時の残存率の変化>
本設問のグラフは横軸に時間(h)、縦軸に抗生物質の残存率(%)を片対数プロットしたものであり、両薬物ともに直線的に減少していることから、1次反応に従って分解していると考えられる。一般に、β–ラクタム系抗生物質は、β–ラクタム環が開裂しやすいため、アミノグリコシド系抗生物質に比べ、分解しやすい。これらのことから、薬物Bがβ–ラクタム系抗生物質と判断することができる。

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