平成30年度 第103回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 292,293

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問 292  正答率 : 1.4%
問 293  正答率 : 79.7%

 国家試験問題

国家試験問題
28歳女性。1ヶ月ぐらい前から動悸、手指の震えがあり、発汗が多くなったため近医を受診したところ、バセドウ病と診断され下記の薬剤が処方された。
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問292(実務)
患者への説明として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 催奇形性の報告があるので、薬剤服用中は妊娠を避けるよう説明する。


2 甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬であると説明する。


3 規則的に数ヶ月間服用し、症状が改善したら減薬できると説明する。


4 海藻類を積極的に摂取するよう説明する。


5 定期的な血液検査の必要性を説明する。




問293(病態・薬物治療)
服薬を開始して2週間後に38.5℃の発熱と強い咽頭痛を認めたため受診した。血液検査では、赤血球数390×104 /µL、ヘモグロビン12.2 g/dL、白血球数1,000 /µL、好中球数350 /µL、血小板数44×104 /µL、CRP 6.7 mg/dLであった。本症例の今後の薬物治療として適切なのはどれか。1つ選べ。

1 処方薬6錠/日を継続しながら抗菌薬を追加投与する。


2 処方薬を3錠/日に減量して、抗菌薬を追加投与する。


3 処方薬を一旦中止して、発熱が消失した後に再開する。


4 処方薬をチアマゾール錠に変更する。


5 処方薬を中止する。

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問 292    
問 293    

 e-REC解説

問292 解答 2、3、5
(複数の正解があるため、2、3、5いずれか2つ選択で正解とする。)

1 誤
プロピルチオウラシルには催奇形性の報告ないので、薬剤服用中は妊娠を避けるよう説明する必要はない。

2 正
プロピルチオウラシルは、甲状腺ペルオキシダーゼを阻害することで、甲状腺ホルモンの産生・分泌を抑制する。

3 正
プロピルチオウラシルは、規則的に数ヶ月間服用し、症状が改善したら1〜4週ごとに減薬することができる。

4 誤
海藻類には甲状腺ホルモンの原料となるヨウ素が多く含まれているため、摂取は控えるよう説明する。

5 正
プロピルチオウラシルの重大な副作用として無顆粒球症があらわれることがあるため、定期的な血液検査を行う必要がある。


問293 解答 5

プロピルチオウラシルは重大な副作用として無顆粒球症があらわれることがあるため、定期的な血液検査を行い、本副作用の発現が疑われた場合は投与を中止する。また、発熱している場合には、血液培養も含めた細菌学的検査を行い、広域スペクトラムの抗菌薬を十分量用いた感染症の治療を直ちに開始する。

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