令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 314,315

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問 314  正答率 : 73.1%
問 315  正答率 : 80.4%

 国家試験問題

国家試験問題
64歳男性。数年前からパーキンソン病と不眠症の治療を行っている。転居に伴い、家族に伴われて以下の処方箋を持ってこの薬局を初めて訪れた。

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問314(実務)
この患者への服薬指導として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 服用を続けているうちに急に動けなくなるなど、薬の効果が短く感じることがあれば申し出てください。


2 処方1の薬は、飲み忘れに気が付いた場合、次回服用時に2回分を1度に服用してください。


3 処方1の薬は、服用することにより尿の色が濃くなることがあります。


4 処方2の薬を服用して、眠気が出た場合はすぐに服用を中止してください。


5 処方3の薬を服用して、苦味を感じた場合はすぐに服用を中止してください。




問315(法規・制度・倫理)
この患者が、1週間程度の海外旅行に行くことになった。現在処方されている医薬品を海外に持って行くことについて相談を受けた。海外に持って行くにあたり、地方厚生局長に携帯輸出許可の申請を行わなければならないのはどれか。1つ選べ。なお、地方厚生局長は厚生労働大臣から権限が委任されているものとする。

1 処方1から処方3のすべての医薬品


2 処方1の医薬品


3 処方2の医薬品


4 処方3の医薬品


5 処方1から処方3のすべての医薬品について申請不要

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問 314    
問 315    

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問314 解答 1、3

1 正
レボドパ製剤の長期服用により、レボドパ製剤の有効期間が短縮する現象をwearing off現象とよぶ。本現象の発現が認められた場合には、1日用量の範囲内で投与回数を増やす等の適切な処置が必要になるため、薬の効果が短く感じることがあれば申し出るように患者へ伝えることは適切である。

2 誤
ボドパ製剤を飲み忘れた場合には、気がついた時にできるだけ早く1回分を服用するように指導する。ただし、次の服用時間が近い場合は1回飛ばして、次の服用時間に1回分を服用するように指導する。したがって、次回服用時に2回分を1度に服用するよう指導することは不適切である。

3 正
レボドパ製剤の服用により唾液・痰・口腔内粘膜・汗・尿・便等の変色が報告されている。

4 誤
セレギリン塩酸塩錠の服用時に、めまい、注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるため、自動車の運転、機械操作、高所作業等危険を伴う作業に従事しないように指導することは必要であるが、眠気が出た際に服用の中止を行うよう指導する必要はない。

5 誤
エスゾピクロン錠の服用時には苦味を感じることがあるが、服用の中止を行うよう指導する必要はない。


問315 解答 3

自己疾病の治療の目的で海外に携帯する際に、厚生労働大臣(厚生労働大臣から権限が委任されている場合には地方厚生局長)に携帯輸出許可の申請を行わなければならない医薬品は、麻薬と覚醒剤原料である。本患者に処方されている医薬品のうち、セレギリン塩酸塩錠は覚醒剤原料に該当するため、セレギリン塩酸塩錠を海外に携帯する際には携帯輸出許可を受ける必要がある。

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