平成27年度 第100回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 331

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問 331  正答率 : 66.2%

 国家試験問題

国家試験問題
院内の安全対策研修会で、下記の事例をもとに医療事故の対応を多職種で議論した。

事例
60歳女性。関節リウマチの診断で今回より初めてメトトレキサートカプセル2 mg 3カプセルが4週間分処方された。本来、週1回服用のところ、連日服用で28日分調剤された。服用開始18日目に倦怠感、食欲不振、歯肉出血が出現したため自己判断で服用を中止した。その3日後に外来受診し、検査の結果、口腔粘膜障害、胃腸障害、肝機能障害、骨髄抑制が認められたため緊急入院となった。
議論の中で、この患者への処置について薬剤師が意見を求められた。この薬剤の特徴から考えて効果的なのはどれか。2つ選べ。

1 ホリナートカルシウムの投与


2 ビタミンK製剤の投与


3 薬用炭の投与


4 炭酸水素ナトリウム注射薬の投与

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問 331    

 e-REC解説

解答 1、4

この事例は、メトトレキサート6 mgを1週間で服用するところ、連日服用したことにより、本患者にメトトレキサートの中毒症状(倦怠感、食欲不振、歯肉出血)が出現したと考えられる。
メトトレキサートを解毒するためには、メトトレキサートの毒性を軽減するホリナートカルシウム※を投与することに加え、尿をアルカリ性にし、メトトレキサートの排泄を促進する炭酸水素ナトリウム注射薬を投与する必要がある。
※ホリナートカルシウム
ホリナートカルシウムは、正常細胞内でジヒドロ葉酸還元酵素の作用を受けず活性型葉酸となり、メトトレキサートによって停止していた核酸合成を再開することができるため、メトトレキサートの細胞毒性を軽減させることができる。

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