令和07年度 第110回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 102

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問 102  正答率 : 58.8%

 国家試験問題

国家試験問題
以下の反応式のうち、右に示された主生成物が誤っているのはどれか。1つ選べ。
ただし、各反応はそれぞれ適切な溶媒を用いて行い、反応終了後、適切な後処理を施したものとする。

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問 102    

 e-REC解説

解答 4

1 正しい
末端アルキンのアルキル化反応である。末端アルキンにナトリウムアミド(NaNH2)のような強塩基で処理した後にハロゲン化アルキルを反応させると、置換アルキンが得られる。
この反応はまず、アミドイオン(NH2)が末端アルキンの水素を引き抜くことでアルキニドイオン(R−C≡C)を生成する。続いて、第一級ハロゲン化アルキルで処理するとアルキニドイオンが求核試薬として働き、SN2反応が進行することでアルキル化することができる。
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2 正しい
末端アルキンのヒドロホウ素化−酸化反応である。
末端アルキンにジシクロヘキシルボランを反応させると逆マルコフニコフ則に従い、水素とホウ素がシス付加する。その後、塩基性条件下H2O2で処理すると酸化されてエノール型の化合物が生成し、ケト−エノール互変異性によりアルデヒドが得られる。
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3 正しい
アルキンへの水の付加反応である。アルキンへの水の付加は、マルコフニコフ則に従う。その後、ケト−エノール互変異性によりカルボニルが得られる。
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4 誤っている
アルキンへの水素化反応の1つ、リンドラー触媒による接触還元法である。リンドラー触媒を用いるとcis−アルケンが得られる。
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5 正しい
アルキンへのハロゲン化水素の付加反応である。アルキンにハロゲン化水素を反応させるとマルコフニコフ則に従って付加反応が進行する。
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