令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 104

Pin Off  未ブックマーク   
問 104  正答率 : 51.4%

 国家試験問題

国家試験問題
多発性硬化症治療薬のフィンゴリモドは、体内でスフィンゴシンキナーゼによって立体選択的にリン酸化されて活性体となり、スフィンゴシン−1−リン酸(S1P)受容体アゴニスト活性を発揮する。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

スクリーンショット 2023-06-09 17.40.18.png

1 S1Pの2位の絶対配置は、Sである。


2 フィンゴリモドは、キラル化合物である。


3 フィンゴリモドリン酸(活性体)は、R体である。


4 S1Pとフィンゴリモドリン酸は、両親媒性である。


5 S1Pは、グリセロリン脂質である。

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 104    

 e-REC解説

解答 1、4

1 誤
S1Pの2位のキラル炭素の絶対配置は、S配置となる。
スクリーンショット 2023-06-09 17.41.16.png

2 誤
フィンゴリモドは、構造中にキラル炭素をもたないため、アキラルな化合物である

3 誤
フィンゴリモドリン酸(活性体)キラル炭素の絶対配置はS配置であるため、S体である。
スクリーンショット 2023-06-09 17.42.16.png

4 正
S1Pとフィンゴリモドリン酸は、どちらもアミニウム(−NH3)やリン酸基(−O−PO3)などの親水基に加えて、アルキル基などの疎水基を有している。そのため、S1Pとフィンゴリモドリン酸は極性溶媒、非極性溶媒どちらにもなじむ両親媒性物質である。

5 誤
S1Pはスフィンゴシン構造をもったスフィンゴリン脂質である。なお、グリセロリン酸脂質は、構造中にグリセロールの構造を有する。
スクリーンショット 2023-06-09 17.43.23.png

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします