平成25年度 第98回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 105

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問 105  正答率 : 48.9%

 国家試験問題

国家試験問題
アミンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 第一級アミンをケトンと反応させると、イミンが生成する。


2 第二級アミンを無水フタル酸と反応させると、フタルイミドが生成する。


3 第三級アミンを酸塩化物と反応させると、カルボン酸アミドが生成する。


4 エチルメチルアミンはAとBの平衡混合物として存在する。


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問 105    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
アミンはアルコールよりも求核性が高く、ケトンやアルデヒドと容易に反応する。第一級アミン(R−NH2)は下図のようにケトンと反応し、ヘミアミナールを経てイミンを生じる。形式的には、第一級アミンの二つの水素とカルボニル酸素から水(H2O)が生じる(脱水反応、縮合反応)。なお、第二級アミン(RR’−NH)は窒素原子上に水素原子が1つしかないので、イミンは形成できずにエナミンが生成する。
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2 誤
アミンはカルボン酸無水物、酸塩化物とも容易に反応する。第一級アミン(R−NH2)は下図のように無水フタル酸と反応してイミドを生じる。この反応においても、第一級アミンの二つの水素と酸無水物から水(H2O)が生じている(脱水反応、縮合反応)。なお、第二級アミン(RR’−NH)は窒素原子上に水素原子が1つしかないので、脱水できず生成物はアミドになると考えられる。
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3 誤
第一級アミンや第二級アミンは酸塩化物と下図のように反応して、HClの脱離を伴いアミドを生成する。第三級アミンは水素原子をもたないので、アミドはできない。
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4 正
エチルメチルアミンなどの脂肪族アミンの窒素は、アルカンなどの炭素と同様にsp3混成軌道であり、四面体配置をとる。アミンの窒素まわりの配置は、反転とよばれる速い異性化が起きており、AとBの平衡混合物として存在するため、エチルメチルアミンは光学活性ではない。
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