令和03年度 第106回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 106

Pin Off  未ブックマーク    |  |  |   
問 106  正答率 : 54.9%

 国家試験問題

国家試験問題
β酸化による脂肪酸の代謝反応におけるβ−ヒドロキシアシルCoAからβ−ケトアシルCoAへの変換過程を以下に示す。その変換過程について想定される反応機構に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

スクリーンショット 2021-06-10 14.33.10.png


1 ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素の図中の170番のグルタミン酸残基は、158番のアミノ酸残基Xの側鎖のイミダゾリル基の塩基性を高めている。


2 158番のアミノ酸残基Xはヒスチジン残基である。


3 補酵素アはFADである。


4 補酵素アはプロトン受容体として機能している。


5 補酵素アはピリミジン骨格をもつ。

 解説動画  ( 00:00 / 0:00:00 )

限定公開

 ビデオコントロール

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 106    

 e-REC解説

解答 1、2

1 正
本反応において、170番のグルタミン酸(170 Glu)残基のカルボキシラートイオンが、158番のアミノ酸残基Xの側鎖のイミダゾリル基からHを引き抜くことで、イミダゾリル基の負電荷が強くなり、Hを受け取りやすくなるため、塩基性が高くなる。したがって、図中の170番のグルタミン酸残基は、158番のアミノ酸残基Xの側鎖のイミダゾリル基の塩基性を高めている。
スクリーンショット 2021-06-10 14.34.32.png


2 正
158番のアミノ酸残基は、側鎖にイミダゾリル基をもつため、ヒスチジン残基である。
スクリーンショット 2021-06-10 14.37.46.png


3 誤
脂肪酸のβ酸化に関与する補酵素には、NAD(酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)とFAD(酸化型フラビンアデニンジヌクレオチド)がある。NADの構造にはニコチンアミドがあり、FADの構造にはフラビンがある。補酵素アは、ニコチンアミド構造を有するため、NADである。
スクリーンショット 2021-06-10 14.38.42.png


4 誤
補酵素ア(NAD)は、プロトン(H)受容体ではなく、ヒドリド(H)受容体として働いている。

5 誤
補酵素ア(NAD)は、別名を酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドということから、構造中にアデニンをもつため、プリン骨格を有する。
スクリーンショット 2021-06-10 14.39.51.png

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします