令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 106

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問 106  正答率 : 48.0%

 国家試験問題

国家試験問題
下図に示したように、乳酸脱水素酵素(乳酸デヒドロゲナーゼ)はピルビン酸からL−乳酸への変換を触媒する。この酵素の活性中心に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

スクリーンショット 2024-05-28 14.40.27.png


1 109番のArgはピルビン酸のカルボニル炭素の求電子性を高めている。


2 168番のアミノ酸残基はアスパラギンである。


3 171番のArgとピルビン酸との主たる相互作用は、分散力によるものである。


4 195番のHisはピルビン酸に対してブレンステッド酸としてはたらく。


5 NADHはピルビン酸に対してプロトン供与体としてはたらく。

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問 106    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
109番のArgは、ピルビン酸のカルボニル炭素の正電荷の偏りを大きくすることで、ピルビン酸のカルボニル炭素の求電子性を高めている。

2 誤
168番のアミノ酸残基はアスパラギン酸である。

スクリーンショット 2024-05-28 14.41.59.png

3 誤
171番のArgとピルビン酸との主たる相互作用は、イオン結合などの静電的相互作用によるものである。なお、分散力は無極性分子(アルキル基など)の間の主たる相互作用である。

4 正
ブレンステッド・ローリーの定義において、プロトン(H)を放出する物質をブレンステッド酸、プロトン(H)を受け取る物質をブレンステッド塩基という。図において、195番のHisはピルビン酸に対してプロトン(H)を放出するため、ブレンステッド酸としてはたらく。

5 誤
図において、NADHのHからピルビン酸のカルボニル炭素に向かって曲がった矢印が書かれているため、NADHのHはヒドリド(H)であることがわかる。したがって、NADHはピルビン酸に対してヒドリド供与体としてはたらく。

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