令和07年度 第110回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 107

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問 107  正答率 : 73.2%

 国家試験問題

国家試験問題
下図は、インスリンの構造を模式的に示している。図中の○はアミノ酸残基を示し、特徴のあるアミノ酸残基を3文字表記している。

スクリーンショット 2025-05-28 18.35.32.png

近年、インスリンの化学構造を部分的に改変することで、治療目的に沿った血糖降下作用を発揮するインスリンアナログ製剤(1〜5)が開発されている。このうち、構造改変によりインスリンの等電点(pI 約5.4)を中性付近(pI 約6.7)に近づけることにより、生理的pHで等電点沈殿を起こし、皮下で徐々に溶解、吸収され、1日1回の皮下投与で安定した血糖降下作用を示すのはどれか。1つ選べ。
なお、各アナログ製剤の構造はインスリンと同様な方法で図示しており、図中のスクリーンショット 2025-05-28 18.37.48.pngはインスリンと異なるアミノ酸残基を示す。

スクリーンショット 2025-05-28 18.38.57.png

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問 107    

 e-REC解説

解答 2

インスリンの等電点(pI 約5.4)を中性付近(pI 約6.7)に近づけることにより、生理的pHで等電点沈殿を起こし、皮下で徐々に溶解、吸収され、1日1回の皮下投与で安定した血糖降下作用を示すインスリンアナログ製剤は、等電点の大きな塩基性アミノ酸であるアルギニン(Arg)をB鎖C末端に2つ結合させたインスリン グラルギンである。なお、インスリンアナログ製剤の名称は、構造改変部位に由来する。

1 誤
超速効型インスリンアナログ製剤であるインスリン リスプロの構造である。

2 正
持効型インスリンアナログ製剤であるインスリン グラルギンの構造である。

3 誤
超速効型インスリンアナログ製剤であるインスリン グルリジンの構造である。

4 誤
持効型インスリンアナログ製剤であるインスリン デグルデクの構造である。

5 誤
超速効型インスリンアナログ製剤であるインスリン アスパルトの構造である。

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