令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 117

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問 117  正答率 : 68.3%

 国家試験問題

国家試験問題
ヒトの免疫系の組織と細胞に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 骨髄では、造血幹細胞が分裂している。


2 胸腺では、B細胞が正の選択と負の選択を受け、形質細胞へと分化する。


3 リンパ節では、高内皮細静脈から移行したT細胞が、樹状細胞に対して抗原提示をする。


4 肝臓では、老化した赤血球が除去される一方で、血液中の抗原に対する免疫応答が行われる。


5 小腸のパイエル板では、上皮層のM細胞を介して取り込まれた抗原に対する免疫応答が行われる。

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問 117    

 e-REC解説

解答 1、5

1 正
造血幹細胞は、骨髄で細胞分裂する。2つに分裂した細胞の1つは多分化能のみをもち、すべての成熟血液細胞を産生する。もう1つの細胞は、分裂する前の細胞と同じように多分化能と自己複製能をもつ造血幹細胞になる。

2 誤
胸腺で正の選択や負の選択を受け、分化・成熟するのはT細胞である。骨髄で生成されたT細胞の前駆細胞は胸腺へと移動してT細胞へと分化する。その際、「T細胞受容体遺伝子の再編成」「自己MHCを認識するTCRの発現」「正常なT細胞の選択(正の選択)」「自己抗原を認識するTCRを発現するT細胞の除去(負の選択)」「CD4およびCD8の発現」などが行われる。

3 誤
リンパ節では、高内皮細静脈から移行してきたT細胞に対して樹状細胞が抗原提示を行う。

4 誤
老化した赤血球が除去される一方で、血液中の抗原に対する免疫応答が行われるのは主に脾臓である。
脾臓には赤脾臓と白脾臓が存在し、赤脾臓は主に老化した赤血球の除去を行い、白脾臓は血液中に侵入した抗原への免疫応答を行う。

5 正
パイエル板は二次リンパ器官として働き、小腸上皮細胞に存在するM細胞を介して腸管腔に存在する抗原を取り込み、マクロファージや樹状細胞に受け渡すことにより免疫応答が行われる。

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