令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 117

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問 117  正答率 : 54.7%

 国家試験問題

国家試験問題
胎盤では、胎児と母体との間で物質交換が起こる。下図中のB(胎盤)では、母体のイムノグロブリン(抗体)が選択的に胎児側に移行することが知られている。次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

スクリーンショット 2023-06-05 17.35.05.png


1 A内の血管には、胎児の血液が流れている。


2 Bにおいて、母親の赤血球が胎児側に移行し、酸素を供給する。


3 Bにおいて、抗体のサブクラスのうち、IgAが選択的に移行する。


4 医薬品として使われる抗体は組換え体なので、母体から胎児側に移行しない。


5 B全体から採取したDNAには、母親と胎児の両方のゲノムが含まれる。

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問 117    

 e-REC解説

解答 1、5

胎盤とは、子宮内に形成される胎児と母体を連絡する器官あり、母体由来の基底脱落膜と胎児由来の絨毛膜絨毛から構成される。形態は盤状であり、臍帯(A)で胎児と連絡されている。臍帯は臍静脈と臍動脈を含み、主な機能として、母体側と胎児側の栄養・代謝物質交換やガス交換、胎児側への免疫支援などがある。

1 正
前記参照。Aは臍帯であり胎児の臍静脈と臍動脈を含む。

2 誤
胎盤は、胎児の絨毛が母体血のプールに浸かっているような構造になっており、母体血と胎児血は、原則が混じり合うことはないため、母親の赤血球が胎児側に移行することもない。

3 誤
抗体のうち、胎盤透過性があるのはIgGのみである。よって母体由来の抗体のうち、選択的に胎児側に移行するのは、IgGである。

4 誤
抗体医薬品は一般的にIgG由来であるため、母体から胎児側に移行する可能性はある。

5 正
前記参照。胎盤は母体由来の基底脱落膜と胎児由来の絨毛膜絨毛から構成されるため、胎盤から採取したDNAには、母親と胎児の両方のゲノムが含まれる。

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