平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 120

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問 120  正答率 : 43.2%

 国家試験問題

国家試験問題
自然毒による食中毒に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ジャガイモに含まれるソラニンは、コリンエステラーゼ阻害作用を示す。


2 フグ毒テトロドトキシンは、神経や筋肉のNaチャネルを開口することにより神経症状を引き起こす。


3 青梅の種子中のアミグダリンから発生する青酸は、メトヘモグロビン血症を引き起こす。


4 テングダケ科のキノコに含まれるα−アマニチンは、RNAポリメラーゼⅡ阻害により細胞毒性を引き起こす。


5 サンゴ礁に生息する魚の肝臓で生合成されるシガトキシンは、シガテラを引き起こす。

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問 120    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
ソラニンは、ジャガイモの緑皮部や発芽部位に多く含まれる有毒成分であり、強いコリンエステラーゼ阻害作用を有する。

2 誤
テトロドトキシンは、海洋微生物が産生し、食物連鎖によりフグの体内に蓄積する有毒成分であり、骨格筋や神経の膜電位依存性Naチャネルを阻害して神経伝達を遮断することにより、神経症状を引き起こす。

3 誤
アミグダリンは、青梅の果実や種子に含まれる有毒成分である。アミグダリンは、生体内でβ−グルコシダーゼによって代謝されることで、毒性の強いシアン化水素(青酸)を生じる。シアン化水素はシトクロムcオキシダーゼを阻害することで、細胞呼吸阻害を引き起こす。

4 正
α−アマニチンは、タマゴテングタケなどのテングダケ科のキノコに含まれる有毒成分であり、摂取すると、RNAポリメラーゼⅡを阻害することにより、コレラ様症状を引き起こす。

5 誤
シガトキシンは、海洋微生物が産生し、食物連鎖により魚類に蓄積する有毒成分であり、筋肉や神経において、Naの透過性を促進させることによりドライアイスセンセーション(温度感覚異常)を引き起こす。

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