平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 130

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問 130  正答率 : 43.1%

 国家試験問題

国家試験問題
グルタチオン抱合に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 基質の求核性部位にグルタチオンが結合する。


2 この反応を触媒する酵素は、グルタチオンペルオキシダーゼである。


3 この抱合反応の後に起こるメルカプツール酸の生成には、アセチル抱合が関与する。


4 アセトアミノフェンの代謝活性化に関与する。


5 1,2-ジブロモエタンの代謝活性化に関与する。

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問 130    

 e-REC解説

解答 3、5

グルタチオン抱合では、グルタチオンS-転移酵素(グルタチオンS-トランスフェラーゼ)によって基質(主にハロゲン、ニトロ基、エポキシドなどを有する物質)の求電子部位にグルタチオンが結合し、グルタチオン抱合体を生成する。その後、グルタチオン抱合体は、加水分解を受けてシステイン抱合体となり、さらにアセチル抱合を受けてN-アセチルシステイン抱合体(メルカプツール酸)となり排泄される。
スクリーンショット 2017-10-19 16.40.06.png

1 誤
前記参照。

2 誤
前記参照。なお、グルタチオンペルオキシダーゼは、過酸化水素を水に分解する酵素である。

3 正
前記参照。

4 誤
アセトアミノフェンは、グルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体として排泄されるが、一部はCYP2E1によって反応性の高いN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンに代謝される。N-アセチル-p-ベンゾキノンイミンは、グルタチオン抱合を受けメルカプツール酸として尿中に排泄されるが、アセトアミノフェン大量服用時は、グルタチオンが不足することによって生体高分子と結合し、肝細胞のネクローシスを引き起こす。
スクリーンショット 2017-10-19 16.41.35.png

5 正
1,2-ジブロモエタンの代謝活性化に関与する。1,2-ジブロモエタンは、グルタチオン抱合を受けると、グルタチオン中のS原子の求核作用により、隣接するBr置換炭素と分子内求核置換反応の進行とともに、活性中間体(エピスルホニウムイオン)を生成する。
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