令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 135

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問 135  正答率 : 63.8%

 国家試験問題

国家試験問題
下図は、化管法のPRTR制度における2021年(令和3年)度届出排出量・移動量の上位10物質を示したものである。

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化合物A〜Cは以下のア〜オのような特徴をもつ化合物である。化合物A〜Cの組合せとして正しいのはどれか。1つ選べ。

ア 化合物A及びCの届出排出量のほぼ全量が大気への排出、化合物Bの届出移動量のほぼ全量が事業所外への廃棄物としての移動である。
イ ヒトの体内で化合物A及びCは酸化的な代謝を受け、それぞれの代謝物がグリシン抱合されて尿中に排泄される。
ウ 化合物A及びCには、室内濃度指針値が定められている。
エ 化合物Bへの曝露により、パーキンソン病様の症状が現れることがある。
オ 化合物Cは、3種類の異性体の混合物である。

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問 135    

 e-REC解説

解答 6

化管法は、PRTR制度とSDS制度の2つの制度から成り、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障を未然に防止することを目的とした法律である。そのうち、PRTR制度では、事業者自らが化学物質の排出量・移動量を把握、国が集計し、公表している。
化合物Aはトルエンである。トルエンは届出排出量が最も多い化合物であり、そのうちほぼ全量が大気へ排出される。ヒト体内においてトルエンはCYPによる酸化を受けて安息香酸となり、次いでグリシン抱合されて馬尿酸となり尿中に排泄される。トルエンはシンナーの主成分として塗料などに使用されるが、曝露によりシックハウス症候群の原因となるため室内濃度指針値が定められている。
化合物Bはマンガン及びその化合物である。マンガン及びその化合物は、届出移動量のほぼ全量が事業所外への廃棄物としての移動であり、移動後に埋立処分される。マンガン及びその化合物の曝露により、パーキンソン病様症状などの中枢神経障害が現れることがある。
化合物Cはキシレンである。キシレンは届出排出量のほぼ全量が大気へ排出される。ヒト体内においてキシレンはCYPによる酸化を受けてメチル安息香酸となり、次いでグリシン抱合されてメチル馬尿酸となり尿中に排泄される。キシレンは、オルト・メタ・パラの3種類の異性体の混合物であり、毒性はトルエンと類似しており曝露によりシックハウス症候群の原因となるため室内濃度指針値が定められている。

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