令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 145

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問 145  正答率 : 67.4%

 国家試験問題

国家試験問題
指定薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 麻薬及び向精神薬取締法に基づき、厚生労働大臣が指定する。


2 緊急を要する場合、薬事・食品衛生審議会の意見を聴かずに、厚生労働大臣が指定できる。


3 ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)は指定薬物に該当する。


4 指定には、1つ1つの物質を個別に指定(個別指定)と特定の構造を有する物質を一括した指定(包括指定)の2つがある。


5 「医療等の用途」以外の用途に供するための製造、販売、購入等は禁止されているが、所持の制限はない。

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問 145    

 e-REC解説

解答 2、4

指定薬物とは、中枢神経系の興奮若しくは抑制又は幻覚の作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれがある物(大麻、覚醒剤、麻薬、向精神薬、あへん及びけしがらを除く。)として、厚生労働大臣が薬事審議会の意見を聴いて指定するものをいう。

1 誤
指定薬物は、医薬品医療機器等法に基づき、厚生労働大臣が指定する。そのため、指定薬物は麻薬及び向精神薬取締法での規制を受けない。

2 正
原則として、指定薬物を指定する場合、厚生労働大臣は、薬事審議会の意見を聴く必要がある。ただし、緊急を要する場合、薬事審議会の意見を聴かずに、厚生労働大臣が指定薬物を指定できる。なお、この場合において、厚生労働大臣は、速やかに、その指定に係る事項を薬事審議会に報告しなければならない。

3 誤
ジアセチルモルヒネ(ヘロイン)は麻薬である。麻薬は麻薬及び向精神薬取締法で規制されているため、指定薬物としての規制を受けることはない。

4 正
指定には、1つ1つの物質を個別に指定する方法(個別指定)だけでなく、構造の一部を変更して規制を免れることを防ぐため、特定の構造を有する物質を一括して指定する方法(包括指定)もある。

5 誤
医薬品医療機器等法において、指定薬物は、医療等の用途以外の用途に供するために製造し、輸入し、販売し、授与し、所持し、購入し、若しくは譲り受け、又は医療等の用途以外の用途に使用してはならないとされている。したがって、指定薬物において、「医療等の用途」以外の用途に供するための所持も禁止されている。

※薬事・食品衛生審議会は組織再編のため、医薬品医療機器等法における薬事・食品衛生審議会は、令和6年4月1日より薬事審議会という名称となっている。

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