平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 160

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問 160  正答率 : 67.3%

 国家試験問題

国家試験問題
消化器系に作用する薬物の副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 ピレンゼピンは、アセチルコリンM2受容体を選択的に遮断し、心悸亢進を引き起こす。


2 ミソプロストールは、プロスタノイドEP受容体を遮断し、子宮収縮を引き起こす。


3 メトクロプラミドは、ドパミンD2受容体を遮断し、乳汁漏出を引き起こす。


4 ブチルスコポラミンは、アセチルコリンM3受容体を遮断し、口渇を引き起こす。


5 メペンゾラートは、アセチルコリンM3受容体を遮断し、頻尿を引き起こす。

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問 160    

 e-REC解説

解答 3、4

1 誤
ピレンゼピンは、抗コリン薬であり、胃酸分泌に関与するムスカリン性アセチルコリン受容体を遮断することで、胃酸分泌を抑制する。心臓に存在するアセチルコリンM2受容体の遮断作用は弱いため、心悸亢進などの副作用が現れにくい。

2 誤
ミソプロストールは、プロスタグランジンE1誘導体であり、プロスタノイドEP受容体を刺激することで、胃酸分泌を低下させる。また、子宮平滑筋に存在するプロスタノイドEP受容体を刺激して子宮収縮を引き起こすため、妊婦への投与は禁忌である。

3 正
メトクロプラミドは、ドパミンD2受容体遮断作用を有し、上部消化管運動を亢進する。また、下垂体前葉に存在するD2受容体も遮断するため、プロラクチン遊離を促進し、乳汁漏出や高プロラクチン血症を引き起こす。

4 正
ブチルスコポラミンは、抗コリン薬であり、腸管平滑筋に存在するムスカリン性アセチルコリンM3受容体を遮断することで、鎮痙作用を示す。また、腺分泌に関与するムスカリン性アセチルコリンM3受容体も遮断するため、口渇などの副作用を引き起こす。

5 誤
メペンゾラートは、抗コリン薬であり、腸管平滑筋に存在するムスカリン性アセチルコリンM3受容体を遮断することで、鎮痙作用を示す。また、膀胱平滑筋に存在するムスカリン性アセチルコリンM3受容体も遮断するため、膀胱平滑筋弛緩による排尿困難を引き起こす。

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