平成27年度 第100回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 162

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問 162  正答率 : 55.5%

 国家試験問題

国家試験問題
止血薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 カルバゾクロムは、血管に作用して血管透過性を抑制し、血管抵抗性を高める。


2 フィトナジオンは、プロトロンビンの生合成を阻害し、高プロトロンビン血症を改善する。


3 トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノーゲンのフィブリンへの結合を促進し、血液凝固を引き起こす。


4 プロタミンはヘパリンと結合し、ヘパリンの抗凝固作用を消失させる。


5 ヘモコアグラーゼは、ヘモグロビンと塩を形成し、止血作用を示す。

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問 162    

 e-REC解説

解答 1、4

1 正
カルバゾクロムは、毛細血管透過性を抑制し毛細血管の抵抗性を増大する。なお、カルバゾクロムは、アドレナリンの酸化体であり止血作用を有するアドレノクロムにセミカルバジドを結合させた薬物であり、アドレノクロムの安定性を増大させた化合物である。

2 誤
フィトナジオンは、ビタミンK製剤であり、プロトロンビンなどのビタミンK依存性凝固因子の生合成を促進し、プロトロンビン生成を介して血液凝固系を亢進するため、低プロトロンビン血症を改善する。

3 誤
トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノーゲンのリシン結合部位に結合し、プラスミンとフィブリンとの結合を抑制することで、線溶系を抑制する。

4 正
塩基性薬物であるプロタミンは、酸性ムコ多糖であるヘパリンと結合することで、ヘパリンによる抗凝固作用を消失させるため、解毒薬として用いられる。

5 誤
ヘモコアグラーゼは、トロンビン様作用及びトロンボプラスチン様作用、血小板凝集促進作用などを介して止血作用を示す。

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