平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 162

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問 162  正答率 : 66.1%

 国家試験問題

国家試験問題
血小板に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 チクロピジンは、ADPのP2Y12受容体を遮断することでアデニル酸シクラーゼ活性を増強し、サイクリックAMP(cAMP)を増加させる。


2 シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害し、cAMPを増加させる。


3 サルポグレラートは、セロトニン5−HT1受容体を遮断し、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制する。


4 オザグレルは、プロスタノイドTP受容体を遮断し、細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制する。


5 ベラプロストは、プロスタノイドIP受容体を刺激し、サイクリックGMP(cGMP)を増加させる。

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問 162    

 e-REC解説

解答 1、2

1 正
チクロピジンは肝代謝を受けて活性体となり、Giタンパク質共役型受容体であるP2Y12受容体を遮断する。これにより、アデニル酸シクラーゼ(AC)活性を増強し、サイクリックAMP(cAMP)を増加させて血小板凝集を抑制する。

2 正
シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼⅢを選択的に阻害し、cAMPの分解を抑制することでcAMPを増加させ、血小板凝集を抑制する。

3 誤
サルポグレラートは、Gqタンパク質共役型受容体であるセロトニン5−HT2受容体を遮断し、セロトニンによる細胞内カルシウムイオン濃度の上昇を抑制して血小板凝集を抑制する。

4 誤
オザグレルは、トロンボキサンA2(TXA2)合成酵素を阻害し、TXA2生成を低下させることによって血小板凝集を抑制する。

5 誤
ベラプロストは、プロスタグランジンI2誘導体であり、Gsタンパク質共役型受容体であるプロスタノイドIP受容体を刺激する。これにより、AC活性を増強し、サイクリックAMP(cAMP)を増加させて血小板凝集を抑制する。

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