平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 169

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問 169  正答率 : 46.0%

 国家試験問題

国家試験問題
薬物の腎排泄に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 糸球体の基底膜は陽性に帯電しているため、酸性薬物は塩基性薬物よりろ過されやすい。


2 投与された薬物のすべてが腎排泄によって消失するとき、その腎クリアランスはクレアチニンクリアランスにほぼ等しい。


3 フェノールスルホンフタレインは、主に尿細管分泌により体内から消失するため、腎機能測定に用いられる。


4 OAT1は近位尿細管上皮細胞の刷子縁膜に存在し、細胞内の有機カチオンを管腔内へ排出する。


5 尿細管における弱塩基性薬物の再吸収は、尿のpHが大きくなると増大し、その腎クリアランスは低下する。

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問 169    

 e-REC解説

解答 3、5

1 誤
糸球体の基底膜は陰性に帯電しているため、塩基性薬物は酸性薬物よりろ過されやすい。

2 誤
投与された薬物のすべてが腎排泄によって消失するとき、その全身クリアランスは腎クリアランスにほぼ等しくなるが、腎クリアランスはクレアチニンクリアランスとほぼ等しくなるとは限らない。

3 正
フェノールスルホンフタレインは、静脈内投与後、主に尿細管分泌により速やかに体内から消失するため、腎機能検査(分泌機能検査)に用いられる。

4 誤
OAT1は近位尿細管上皮細胞の側底膜に存在し、血液中の有機アニオンを血液側から細胞内へ輸送する。

5 正
遠位尿細管における薬物の尿細管再吸収は、単純拡散(受動拡散)により行われ、pH分配仮説に従う。弱塩基性薬物は、pHが大きくなると分子形の割合が増大するため、再吸収されやすくなり、その腎クリアランスは低下する。

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