令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 172

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問 172  正答率 : 59.1%

 国家試験問題

国家試験問題
線形1−コンパートメントモデルに従い、肝代謝と腎排泄によってのみ体内から消失する薬物Aを、ある患者に急速静注したときの体内動態データを以下に示す。この患者の糸球体ろ過速度(GFR)を120 mL/minとしたとき、薬物Aの血漿タンパク非結合率に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、薬物Aは腎尿細管で分泌・再吸収を受けず、血漿タンパク非結合形のみが糸球体でろ過されるものとする。

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1 0.02


2 0.04


3 0.06


4 0.08


5 0.10

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問 172    

 e-REC解説

解答 4

本問は、血漿タンパク非結合率(fp)と腎クリアランス(CLr)の関係から、fpを求める問題である。
腎クリアランスCLrは①式で表すことができる。

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また、CLろ過は糸球体ろ過速度(GFR)により②式で表すことができる。

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薬物Aは腎尿細管で分泌、再吸収を受けないため、CL分泌Rは共に0であり、①式は②式を代入すると、③式に変形できる。

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ここで、薬物Aの体内動体データより、全身クリアランス(CLtot)からCLrを算出する。
CLtotは④式で表すことができる。

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④式よりCLtotを計算すると、

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投与量10 mgのうち、未変化体の尿中総排泄量が1.2 mgであり、この薬物は肝代謝と腎排泄によってのみ消失することから、CLrを算出する。

スクリーンショット 2024-05-30 12.43.29.png


設問文より、「糸球体ろ過速度(GFR)を120 mL/min」とあることから、③式よりfp を計算すると、

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