令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 172

Pin Off  未ブックマーク    |  |  |   
問 172  正答率 : 57.6%

 国家試験問題

国家試験問題
線形1−コンパートメントモデルに従い、肝代謝と腎排泄によってのみ体内から消失する薬物Aを、ある患者に急速静注したときの体内動態データを以下に示す。この患者の糸球体ろ過速度(GFR)を120 mL/minとしたとき、薬物Aの血漿タンパク非結合率に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、薬物Aは腎尿細管で分泌・再吸収を受けず、血漿タンパク非結合形のみが糸球体でろ過されるものとする。

スクリーンショット 2024-05-30 12.34.15.png


1 0.02


2 0.04


3 0.06


4 0.08


5 0.10

 解説動画  ( 00:00 / 0:00:00 )

 ビデオコントロール

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 172    

 e-REC解説

解答 4

本問は、血漿タンパク非結合率(fp)と腎クリアランス(CLr)の関係から、fpを求める問題である。
腎クリアランスCLrは①式で表すことができる。

スクリーンショット 2024-05-30 12.37.00.png


また、CLろ過は糸球体ろ過速度(GFR)により②式で表すことができる。

スクリーンショット 2024-05-30 12.38.10.png


薬物Aは腎尿細管で分泌、再吸収を受けないため、CL分泌Rは共に0であり、①式は②式を代入すると、③式に変形できる。

スクリーンショット 2024-05-30 12.38.55.png


ここで、薬物Aの体内動体データより、全身クリアランス(CLtot)からCLrを算出する。
CLtotは④式で表すことができる。

スクリーンショット 2024-05-30 12.41.24.png


④式よりCLtotを計算すると、

スクリーンショット 2024-05-30 12.42.22.png


投与量10 mgのうち、未変化体の尿中総排泄量が1.2 mgであり、この薬物は肝代謝と腎排泄によってのみ消失することから、CLrを算出する。

スクリーンショット 2024-05-30 12.43.29.png


設問文より、「糸球体ろ過速度(GFR)を120 mL/min」とあることから、③式よりfp を計算すると、

スクリーンショット 2024-05-30 12.44.22.png

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします