令和05年度 第108回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 173

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問 173  正答率 : 49.2%

 国家試験問題

国家試験問題
薬物A 200 mgを患者に急速静脈内投与したところ、投与直後と2時間後の血中濃度はそれぞれ20 µg/mL及び4 µg/mLであった。同じ患者に薬物Aを点滴静注し、定常状態における血中濃度を15 µg/mLにしたい。定常状態に達するまでの投与量(mg)と点滴時間(h)の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。
ただし、薬物Aの体内動態は線形1−コンパートメントモデルに従うものとし、定常状態に到達するまでに要する時間は消失半減期の5倍とする。また、ln2=0.693、ln5=1.61とする。

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問 173    

 e-REC解説

解答 5

定常状態に到達するまでに要する時間は消失半減期の5倍と記載されているため、半減期(t1/2)を求める。「薬物Aの体内動態は線形1−コンパートメントモデルに従う」とあるため、薬物Aの血中薬物濃度は、①式で表すことができる。

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また、①式は②式に変換することができる。

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設問文より、「投与直後の血中濃度(C0)が20 µg/mL」、「投与2時間後の血中濃度が4 µg/mL」とあるため、②式を用いて半減期(t1/2)を求める。

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よって、定常状態に達するまでの点滴時間(消失半減期の5倍)は、
5×t1/2 = 5×0.86 h = 4.3 hとなり、選択肢として最も近いのは5 hとなる。

次に、定常状態に達するまでの投与量(mg)を求める。
定常状態における血中濃度Cssは点滴静注の場合、③式で表すことができる。

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体内動態が線形1-コンパートメントモデルに従う薬物において、全身クリアランス(CLtot)は④式で求めることができる。

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また、分布容積(Vd)は⑤式で表すことができる。

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⑤式を④式に代入することによって、薬物のCLtotは⑥式で表すことができる。

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③式を変形して、⑥式を代入することによって、k0を求める。

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以上より、定常状態に達するまでの点滴時間は5 hであるため、定常状態に達するまでの投与量はk0に5時間を乗じることで求められるため、k0 × 5 h = 120 mg/h × 5 h = 600 mgとなる。

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