令和07年度 第110回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 174

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問 174  正答率 : 65.0%

 国家試験問題

国家試験問題
薬物の腎排泄過程における相互作用により血中濃度が上昇する薬物、併用薬、関与するトランスポーターの組合せとして、正しいのはどれか。2つ選べ。

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問 174    

 e-REC解説

解答 3、4

1 誤
プロカインアミドとシメチジンを併用すると、両薬物ともに有機カチオントランスポーター(OCT2)の基質薬物であるため、尿細管分泌の競合阻害が生じる。そのため、プロカインアミドの尿細管分泌がシメチジンにより競合阻害され、プロカインアミドの血中濃度が上昇する。

2 誤
メトホルミンは有機カチオントランスポーター(OCT2)の基質であり、リファンピシンは有機アニオントランスポーター(OATP1B1など)の基質である。したがって、両薬物の併用による腎排泄過程の相互作用は報告されていない。

3 正
メトトレキサートとプロベネシドを併用すると、両薬物ともに有機アニオントランスポーター(OAT1、OAT3)の基質薬物であるため、尿細管分泌の競合阻害が生じる。そのため、メトトレキサートの尿細管分泌がプロベネシドにより競合阻害され、メトトレキサートの血中濃度が上昇する。

4 正
ジゴキシンとベラパミルを併用すると、両薬物ともにP−糖タンパク質の基質薬物であるため、尿細管分泌の競合阻害が生じる。そのため、ジゴキシンの尿細管分泌がベラパミルにより競合阻害され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する。

5 誤
シクロスポリンはP−糖タンパク質の基質であり、シスプラチンは有機カチオントランスポーター(OCT2)の基質である。そのため、両薬物のトランスポーターの関わる腎排泄過程における相互作用の報告はない。

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