令和02年度 第105回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 175

Pin Off  未ブックマーク   
問 175  正答率 : 66.1%

 国家試験問題

国家試験問題
トランスポーターを介した薬物の尿細管分泌が併用薬によって阻害され、薬物の血中濃度上昇をもたらす薬物相互作用として、トランスポーター、薬物、併用薬の正しい組合せはどれか。2つ選べ。
スクリーンショット 2020-06-17 18.52.25.png

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 175    

 e-REC解説

解答 2、3

1 誤
レボドパとカルビドパを併用すると、脱炭酸酵素阻害薬であるカルビドパが末梢組織におけるレボドパの脱炭酸酵素による分解を抑制し、レボドパの中性アミノ酸トランスポーター(LAT1)を介した脳内への移行を高める。なお、レボドパとカルビドパの併用による腎臓の尿細管分泌における相互作用はない。

2 正
ジゴキシンとキニジンを併用すると、両薬物共にP−糖タンパク質の基質薬物であるため、尿細管分泌の競合阻害が生じる。そのため、ジゴキシンの尿細管分泌がキニジンにより競合阻害され、ジゴキシンの血中濃度が上昇する。

3 正
メトトレキサートとプロベネシドを併用すると、両薬物共に有機アニオントランスポーター(OAT1、OAT3)の基質薬物であるため、尿細管分泌の競合阻害が生じる。そのため、メトトレキサートの尿細管分泌がプロベネシドにより競合阻害され、メトトレキサートの血中濃度が上昇する。

4 誤
メトホルミンとシメチジンを併用すると、両薬物共に有機カチオントランスポーター(OCT2)や、H/有機カチオン逆輸送体(MATE1、MATE2−K)の基質薬物であるため、尿細管分泌の競合阻害が生じる。そのため、メトホルミンの尿細管分泌がシメチジンにより競合阻害され、メトホルミンの血中濃度が上昇する。

5 誤
リチウムとロキソプロフェンを併用すると、ロキソプロフェンにより腎臓におけるプロスタグランジン生合成が抑制されることで腎血流が低下し、リチウムの腎排泄が減少することにより、リチウム中毒を起こすことがある。なお、リチウムとロキソプロフェンの併用による腎臓の尿細管分泌における相互作用はない。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします