平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 179

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問 179  正答率 : 32.5%

 国家試験問題

国家試験問題
局所作用を目的とした製剤はどれか。2つ選べ。

1 ブプレノルフィン塩酸塩坐剤


2 バンコマイシン塩酸塩散


3 デスモプレシン酢酸塩水和物点鼻液


4 ブデソニド吸入液


5 ツロブテロール貼付剤

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問 179    

 e-REC解説

解答 2、4

製剤には、全身作用を目的としたものと局所作用を目的としたものがある。前者は、投与後有効成分が循環血液中に移行して標的部位に達し作用を発現するものであり、後者は、投与後循環血液中に移行せず適用部位で作用を発現するものである。

1 誤
ブプレノルフィンは、中枢神経系の痛覚伝導系を抑制することにより鎮痛効果を示す薬物である。ブプレノルフィン塩酸塩坐剤は、投与後直腸から吸収されて循環血液中に移行し、中枢神経系に到達して作用を発現するため、全身作用を目的とした製剤である。

2 正
バンコマイシンはグリコペプチド系抗生物質であり、経口投与ではほとんど消化管から吸収されない。そのため、バンコマイシン塩酸塩散は経口投与後循環血液中に移行することなく、消化管で局所作用を示す。この局所作用を目的として、感染性腸炎等に用いられる。なお、バンコマイシンはMRSA感染症治療薬としても用いられ、その場合は注射剤として全身作用を目的として投与される。

3 誤
デスモプレシンは、腎遠位尿細管及び集合管のバソプレシンV2受容体を刺激し水の再吸収を促進するため、中枢性尿崩症治療薬として用いられる。デスモプレシン酢酸塩水和物点鼻液は、点鼻後鼻粘膜から吸収されて循環血液中に移行し、腎に到達して作用を発現するため、全身作用を目的とした製剤である。

4 正
ブデソニドは副腎皮質ステロイド製剤であり、気道において抗炎症作用を示すため気管支ぜん息治療薬として用いられる。また、気道粘膜からほとんど吸収されないため、吸入剤として投与後は循環血液中に移行することなく、気道で抗炎症作用を示す局所作用を目的とした製剤である。

5 誤
ツロブテロールは、気道平滑筋のβ2受容体刺激による気管支拡張作用をもつため、気管支ぜん息治療薬として用いられる。ツロブテロール貼付剤は、使用後皮膚から吸収されて循環血液中に移行し、気管支平滑筋に到達して作用を発現するため、全身作用を目的とした製剤である。

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