令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 181

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問 181  正答率 : 63.5%

 国家試験問題

国家試験問題
薬物の溶解性の改善に用いる添加剤とその溶解性改善の機構との組合せのうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
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問 181    

 e-REC解説

解答 2、5

1 誤
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60は、非イオン性界面活性剤であり、難溶性薬物をミセル内に取り込むことで溶解性を改善する。なお、塩酸や水酸化ナトリウムなどを用いて可溶性塩を形成することは、薬物の溶解性改善の機構の1つである。

2 正
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロース、HPMC)は、半合成高分子であり、固体分散体を形成することで溶解性を改善する。固体分散体とは、難溶性薬物を高分子に分散させ、非晶質化したものである。

3 誤
ポリビニルピロリドン(ポビドン)は、合成高分子であり、固体分散体を形成することで溶解性を改善する。なお、自己乳化型製剤は、界面活性剤の可溶化効果を利用し、投与後速やかにエマルションを形成するよう設計することで、難溶性薬物の溶解性を改善する。

4 誤
エチレンジアミンは、テオフィリンと可溶性の複合体を形成することで、テオフィリンの溶解性を改善する。

5 正
エタノールは、薬物が単独の溶媒に溶けにくい場合の補助溶媒(コソルベント)として用いられる。エタノールと難溶性薬物の複合体は、水溶性溶媒に溶けやすくなるため、溶解性が改善する。なお、このように補助溶媒により難溶性薬物の溶解性が改善する現象は、コソルベンシーという。

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