平成29年度 第102回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 189

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問 189  正答率 : 54.4%

 国家試験問題

国家試験問題
薬物Aと薬物Bをそれぞれ200名の患者に投与して、ある副作用の発現割合を比較したころ、副作用が発現した人は薬物A群で40名、薬物B群で15名であった。患者の内訳を詳細に調査した結果、薬物A群で100名、薬物B群でも100名が重症の患者であった。報告によると、薬物A投与の場合、副作用発現に重症度の影響はみられないが、薬物B投与では、重症の患者は、重症でない患者に比較すると副作用発現割合が2倍高くなることがわかっている。この場合、次の記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。

1 この試験における重症度は交絡因子である。


2 多変量解析によりバイアス要因を解析することができる。


3 重症度による層別化を行うことにより、解析段階で調整して比較することができる。


4 重症の場合、薬物Aにおける副作用の発現割合は薬物Bと比較して小さい。


5 重症でない場合、薬物Aにおける副作用の発現割合は薬物Bと比較して大きい。

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問 189    

 e-REC解説

解答 4

1 正しい
交絡因子とは、ある統計モデルの中で原因と結果との関連性をゆがめる第3の因子のことである。この試験では、薬物と副作用の発現割合の関連性において、患者の重症度が副作用の発現割合に影響を与えているため、重症度は交絡因子であると言える。

2 正しい
多変量解析とは、複数の要因と結果の関連性を解析するための統計学的手法である。本問の場合、薬物と重症度の複数の要因と副作用の関連性をみることで、バイアス要因を解析することができる。

3 正しい
本問では重症度が交絡因子であるため、重症度による層別化を行うことにより交絡因子を取り除くことができ、解析段階で調整した比較を行うことができる。

4 誤っている
本問の内容をまとめると、薬物、副作用及び重症度による割合は以下のようになる。
薬物Aは副作用発現に重症度の影響がないため、副作用を発現した40人中、重症患者は20人で重症でない患者も20人、薬物Bは重症の患者での副作用発現割合が2倍になるので、副作用を発現した15人中、重症患者は10人で重症でない患者は5人となる。
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よって、重症の場合は、薬物Aにおける副作用の発現割合:20/100=0.2、薬物Bにおける副作用の発現割合:10/100=0.1となるため、薬物Aにおける副作用の発現割合は薬物Bと比較して大きい。

5 正しい
重症でない場合は、薬物Aにおける副作用の発現割合:20/100=0.2、薬物Bにおける副作用の発現割合:5/100=0.05となるため、薬物Aにおける副作用の発現割合は薬物Bと比較して大きい。

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