平成24年度 第97回 薬剤師国家試験問題
一般 理論問題 - 問 194,195

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問 194  正答率 : 62.3%
問 195  正答率 : 67.9%

 国家試験問題

国家試験問題
65歳男性。20歳の頃より1日20〜40本の喫煙歴があり、現在は1日20本喫煙している。また、前立腺肥大症による排尿障害のため、泌尿器科で治療を受けている。数年前より咳を自覚していたが、最近歩行時の息切れ及び膿性喀痰が出現するようになり、来院した。

【身体所見】
血圧130/74 mmHg 、脈拍90/分 整(初診時)
呼吸音減弱、連続性ラ音が聴取された。
【検査所見】
胸部X線:肺野の透過性の亢進、横隔膜低位、滴状の心陰影が認められた。
胸部CT検査:肺内に広範な低吸収域が存在した。
呼吸機能検査:1秒率45%
血液検査:尿素窒素20 mg/dL、尿酸9.0 mg/dL、クレアチニン0.9 mg/dL

問194
この患者に用いるべき薬物として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 テオフィリン


2 サルメテロールキシナホ酸塩


3 ケトチフェンフマル酸塩


4 チオトロピウム臭化物水和物




問195
この患者は薬物治療により症状が改善していたが、尿酸値が依然として高値であるため、医師により薬が処方された。1週間後、患者は頭痛、悪心、嘔吐を繰り返し、時々痙れんも見られたため、問194で使用した薬物との相互作用が疑われた。
次のうち、相互作用を起こしたと考えられる処方薬はどれか。1つ選べ。

1 プロベネシド
2 コルヒチン
3 ブコローム
4 ベンズブロマロン

5 アロプリノール

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問 194    
問 195    

 e-REC解説

問194 解答 1、2

40年以上の喫煙歴、歩行時の息切れ、連続性ラ音、1秒率45%(70%以下)などの症状や検査結果から、本患者は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に罹患していることが推測される。また、膿性喀痰より呼吸器感染症を、肺内の広範な低吸収域より肺気腫を併発していると推測される。

1 正
テオフィリンは、キサンチン製剤であり、COPDの治療に用いられる。

2 正
サルメテロールは、アドレナリンβ2受容体刺激であり、COPDの治療に用いられる。

3 誤
ケトチフェンフマル酸塩は、抗ヒスタミン薬であり、COPDの治療に用いられない。

4 誤
チオトロピウム臭化物水和物は抗コリン薬であり、肺気腫を伴うCOPDに用いられるが、本患者は前立腺肥大症を合併しているため禁忌となる。


問195 解答 5

問194で使用した薬物(テオフィリン、サルメテロールキシナホ酸塩)のうち、副作用として、頭痛、悪心、嘔吐、痙れんを起こす薬物は、テオフィリンである。
尿酸生合成阻害薬であるアロプリノールは、テオフィリンの代謝酵素であるキサンチンオキシダーゼを阻害するため、テオフィリンと併用すると、テオフィリンの血中濃度が上昇し、上記のような副作用を起こすことがある。

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