令和08年度 第111回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 204,205

Pin Off  未ブックマーク   
問 204  リアルタイム正答率 : 50.9%
問 205  リアルタイム正答率 : 53.7%

 国家試験問題

国家試験問題
60歳女性。近医にて3年前から2型糖尿病、高血圧症、昨年から変形性左膝関節症と診断され、以下の処方1〜3の薬剤で治療している。今年、脳ドックを受けたところ脳腫瘍の疑いを指摘された。通常のMRI検査を実施した後、さらに精査目的でガドテル酸メグルミン注射液を用いた造影MRI検査を総合病院に入院して行うこととなった。また、貧血予防でサプリメント(鉄)を2年間継続的に服用している。服用アドヒアランスに問題ないことから、入院中は処方1〜3とサプリメント(鉄)は自己管理となった。

スクリーンショット 2026-08-24 14.29.22.png

(造影MRI検査前日の検査値)
血圧143 / 83 mmHg、AST 34 IU/L、ALT 34 IU/L、γ−GTP 43 IU/L、
eGFR 54 mL / min / 1.73 m2、HbA1c 7.0%


問204(物理・化学・生物)
この患者に行う造影MRI検査に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 生体内の水素原子核(プロトン)は、強力な外部磁場中で2つのエネルギー準位に分裂する。


2 ラーモア周波数よりも高い周波数のラジオ波を照射すると、プロトンは基底状態から励起状態に遷移する。


3 造影剤は放射性医薬品である。


4 造影剤はガドリニウムイオン(Gd3+)のキレート化合物である。


5 造影剤はプロトンの緩和時間を延長することにより、画像のコントラストを高める。



問205(実務)
病棟薬剤師は造影MRI検査前日に患者に説明する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 アムロジピン錠を検査当日休薬してください。


2 サプリメント(鉄)は検査当日摂取しないでください。


3 メトホルミン塩酸塩錠は検査当日休薬してください。


4 シタグリプチンリン酸塩錠は前日から休薬してください。


5 ロキソプロフェンNaテープは検査当日剥がす必要はありません。

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 204    
問 205    

 e-REC解説

問204 解答 1、4

MRI検査では、強力な磁場中で生体内の水などに含まれる水素原子核(プロトン)にラーモア周波数に等しいラジオ波を吸収させて核磁気共鳴現象を起こし、プロトンが定常状態に戻るまでの緩和時間の差を画像化する方法である。

1 正
水素原子核(プロトン)は、核スピン量子数が1/2であるため、強力な外部磁場中では外部磁場と同じ向きと外部磁場と反対向きの2つのエネルギー準位に分裂する。

2 誤
前記参照。MRI検査では、ラーモア周波数に等しい周波数のラジオ波を照射する。

3 誤
MRI検査は磁場とラジオ波を利用した画像化法であり、造影剤は放射性医薬品ではない。

4 正
ガドテル酸メグルミンは、ガドリニウムイオン(Gd3+)をキレート化した造影剤である。

5 誤
造影剤は、周囲の水素原子核の緩和時間を短縮することで画像のコントラストを高める。


問205 解答 2、5

1 誤
MRI検査とアムロジピン錠との相互作用は報告されていないため、説明する内容としては不適切である。

2 正
サプリメント(鉄)は、MRI検査の際の磁場の影響により画像に乱れを生じさせる可能性があるため、説明する内容として適切である。

3 誤
MRI検査とメトホルミン塩酸塩錠との相互作用は報告されていないため、説明する内容としては不適切である。なお、メトホルミン塩酸塩錠との注意が必要なのはX線検査の際のヨード造影剤である。

4 誤
MRI検査とシタグリプチンリン酸塩錠との相互作用は報告されていないため、説明する内容としては不適切である。

5 正
MRI検査では、貼付剤にアルミニウムなどの金属が含まれている場合、磁場やラジオ波の影響により発熱し熱傷を生じる可能性があるが、ロキソプロフェンNaテープは金属を含まずMRI検査に影響がないため、説明する内容として適切である。

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします