令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 208,209

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問 208  正答率 : 77.6%
問 209  正答率 : 66.6%

 国家試験問題

国家試験問題
55歳女性(閉経後)。身長160 cm、体重52 kg。血圧135/70 mmHg。高血圧症にて、処方1の薬剤を服用している。

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今回、1ヶ月前よりほてりや発汗、不眠症状等があり、更年期障害を疑い婦人科クリニックを受診した。その後、以下の追加処方箋を持参して、かかりつけ薬局を訪れた。

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問208(実務)
処方2の薬剤の服用開始にあたり、患者への説明内容として適切でないのはどれか。1つ選べ。

1 下肢の疼痛・浮腫、息切れ等が出現した際は、連絡すること。


2 血圧が低下する場合があること。


3 手術前には休薬を検討する必要があること。


4 投与開始後は、定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行う必要があること。


5 骨折のリスクが上がること。




問209(物理・化学・生物)
後日、同患者が再び来局し、不安やイライラが強いことから漢方薬を紹介してほしいと依頼された。この患者に加味逍遙散(注)を紹介したが、この漢方薬を長期服用する場合、留意すべき副作用として腸間膜静脈硬化症が報告されている。
(注)サイコ、シャクヤク、トウキ、ソウジュツ、ブクリョウ、サンシシ、ボタンピ、カンゾウ、ショウキョウ、ハッカから構成される処方

この副作用の原因と考えられる生薬として正しいのはどれか。1つ選べ。なお、写真左下のスケールバーは1 cmである。

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問 208    
問 209    

 e-REC解説

問208 解答 5

1 適切
本剤の重大な副作用に血栓症がある。下肢の疼痛・浮腫、息切れ等、血栓症の初期症状が出現した際は、直ちに医療機関に連絡する必要がある。

2 適切
エストロゲン作用として、血管内皮細胞において一酸化窒素(NO)を産生し、血管を拡張させるため、血圧が低下する場合がある。

3 適切
エストロゲン製剤は、手術のリスクによって4〜6週間前から術後2週間または完全に歩行ができるまで中止を検討する。

4 適切
本剤を長期間服用する場合、乳がん(エストロゲン依存性腫瘍)リスクが高まる可能性がある。このため、投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行う必要がある。

5 不適切
エストロゲン作用として骨吸収抑制作用を示すため、骨折のリスクは低下する。


問209 解答 2

副作用として長期服用による腸間膜静脈硬化症の原因と考えられる生薬はサンシシである。サンシシはクチナシ(アカネ科)の果実で、ほぼ長卵形~卵形(選択肢2)である。
なお、選択肢3は不規則な塊状であることからショウキョウ、選択肢5は主根から分岐した根があることからトウキ、選択肢1、4はシャクヤク、ボタンピまたはカンゾウと予想される。

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