令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 210,211

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問 210  正答率 : 62.1%
問 211  正答率 : 61.8%

 国家試験問題

国家試験問題
43歳男性。身長170 cm、体重75 kg。双極性障害で処方1の薬剤を服用していた。抑うつ症状が再燃してきたため、今回、処方2が追加された処方箋と以下の検査値が記載された情報用紙を持って患者が来局した。

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問210(物理・化学・生物)
バルプロ酸やラモトリギンは、どちらもグルクロン酸転移酵素で代謝される。ラモトリギンのグルクロン酸抱合体の構造として正しいのはどれか。1つ選べ。

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問211(実務)
この処方に関し、医師へ疑義照会する内容として、適切なのはどれか。1つ選べ。

1 バルプロ酸Na徐放錠200 mgの投与量を、1日200 mgに減量する。


2 バルプロ酸Na徐放錠200 mgの投与量を、1日1200 mgに増量する。


3 ラモトリギン錠の投与量を、1日50 mgに増量する。


4 ラモトリギン錠の用法を、朝食後2時間以降投与に変更する。


5 ラモトリギン錠の用法を、隔日投与にする。

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問 210    
問 211    

 e-REC解説

問210 解答 2

ラモトリギンは、主にグルクロン酸転移酵素による抱合をうけ代謝される。グルクロン酸抱合は、基質の非共有電子対が、UDP−α−D−グルクロン酸の1位の炭素(アノマー炭素)に求核置換反応(SN2反応)するため、立体反転したβ−グルクロニドが生成する。
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問211 解答 5

ラモトリギンを双極性障害に単剤で用いる場合、通常、成人には最初の2週間は1日25 mgを1日1回経口投与する。ただし、バルプロ酸ナトリウムを併用する場合、ラモトリギンの排泄が遅延することで血中濃度が上昇し、副作用のリスクが高まるため、通常、成人には最初の2週間は1回25 mgを隔日に経口投与する。本処方では、バルプロ酸ナトリウムとラモトリギンが併用されているため、ラモトリギンを隔日投与に変更するよう疑義照会する必要がある。

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