令和04年度 第107回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 222,223

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問 222  正答率 : 75.5%
問 223  正答率 : 72.8%

 国家試験問題

国家試験問題
44歳女性。鼻、口唇の肥大、下顎の突出を認め精査となった。身長170 cm、体重81 kg、靴のサイズ26.5 cm。75 gブドウ糖負荷試験での成長ホルモンは25 ng/mL(正常域0.4 ng/mL未満)、IGF−1(血中インスリン様成長因子−1)は1,050 ng/mL(正常域88〜229 ng/mL)であった。MRI検査で限局性腫瘤が認められたが、異所性病変は認めなかった。

問222(物理・化学・生物)
図は、女性の内分泌器官を表した模式図である。この患者の腫瘤の位置はどれか。1つ選べ。

スクリーンショット 2022-06-29 14.41.23.png



問223(実務)
この患者は、その後、精密検査の結果、悪性腫瘍と診断された。腫瘍が大きく手術が困難であるため、薬物治療を行う方針となった。なお、放射線治療は薬物治療の効果をみてから検討する予定である。この患者の治療に用いる薬物の候補として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。

1 グルカゴン


2 インスリン


3 オクトレオチド


4 ソマトロピン


5 バソプレシン

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問 222    
問 223    

 e-REC解説

問222 解答 1

本患者の鼻、口唇の肥大、下顎の突出といった所見、成長ホルモン、IGF−1(血中インスリン様成長因子−1)が正常域を超えていることから、成長ホルモンの過剰分泌による先端巨大症の症例であることが判断できる。さらに、MRI検査で限局性腫瘤が認められ、異所性病変は認めなかったことから、本患者の腫瘤の位置は、成長ホルモンの産生分泌される、1の脳下垂体である。なお、2は甲状腺、3は副腎、4は膵臓、5は卵巣である。


問223 解答 3

先端巨大症の治療は、外科手術による下垂体腫瘍の摘出が第一選択である。ただし、手術および放射線療法の禁忌がある場合、これらの治療法で治癒を期待できない場合、または放射線療法が奏効するまで待機している場合には薬物療法の適応となる。このような場合には、ソマトスタチンアナログであるオクトレオチドを1日量100 µgまたは150 µgより投与を開始し、2〜3回に分けて皮下投与する。

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