令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 224,225

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問 224  正答率 : 82.2%
問 225  正答率 : 34.2%

 国家試験問題

国家試験問題
3歳5ヶ月女児。台所で沸かしていたやかんのお湯をかぶり、体表の熱傷(Ⅱ度)で救急搬送された。入院14日目に39℃の発熱を認め、熱傷創部からセフェム系抗菌薬に感受性のある   A   が同定されたため、セフタジジムを2週間投与し、症状が改善したため終了した。
抗菌薬終了7日後に、再び38℃の発熱及び熱傷創部に膿を認めた。膿を検査したところ、  A   が同定された。検出された   A   の薬剤感受性試験及び患者の血液検査の結果は、以下のとおりである。

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なお、この患者はアモキシシリン水和物に対するアレルギー歴がある。

問224(物理・化学・生物)
  A   に該当する細菌に関しては、培養検査等により以下の情報が得られている。  A   はどれか。1つ選べ。

「好気条件で増殖する。グラム陰性菌である。鞭毛を有する。芽胞は形成しない。色素ピオシアニンを産生する。バイオフィルムを形成する。」

1 リステリア菌


2 緑膿菌


3 淋菌


4 黄色ブドウ球菌


5 破傷風菌




問225(実務)
この患者の検査結果を受けて、医師と感染制御チーム(ICT)の薬剤師が協議した。薬剤師が医師に提案する抗菌薬として、適切なのはどれか。2つ選べ。

1 シプロフロキサシン


2 メロペネム


3 アミカシン


4 セフタジジム


5 タゾバクタム・ピペラシリン

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問 225    

 e-REC解説

問224 解答 2

熱傷では、皮膚のバリア機能の低下による細菌感染症が起こることがあり、その原因菌としてはブドウ球菌や緑膿菌が多い。本症例では、培養検査等にて「好気条件で増殖する。グラム陰性菌である。色素ピオシアニンを産生する。バイオフィルムを形成する。」などの情報があることから、  A   に該当する細菌は緑膿菌であると推測される。


問225 解答 2、3

前問より、感染の原因菌は緑膿菌であるため、緑膿菌に適応のある抗菌薬を提案する必要がある。本問の選択肢の薬物は、全て緑膿菌に適応のある抗菌薬だが、

・セフタジジムに耐性を持っている
・アモキシシリン水和物に対するアレルギー歴がある
・年齢が3歳5ヶ月の小児である

以上のことから、セフタジジム、タゾバクタム・ピペラシリン、シプロフロキサシンは、提案する抗菌薬として適切ではない。したがって、本患者に薬剤師が提案する抗菌薬として適切なのは、メロペネムとアミカシンである。

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