平成27年度 第100回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 230,231

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問 230  正答率 : 76.1%
問 231  正答率 : 54.7%

 国家試験問題

国家試験問題
11歳男児。給食後の体育の授業中に、顔面、頸部、躰幹にじん麻疹が突然出現し、意識消失により病院へ搬送された。その後、入院加療により改善し、退院時にアドレナリンの自己注射薬の処方を受けた。

問230(実務)
この患者は、アドレナリンの自己注射薬を初めて携帯することになった。注射薬交付にあたって指導すべき内容に関して適切でないのはどれか。2つ選べ。

1 必ず本人が自己注射してください。


2 使用後は、症状が改善しても必ず医療機関で診察を受けてください。


3 小学生なので、臀部に注射してください。


4 緊急時には衣服の上から注射しても大丈夫です。


5 有効期限が切れる前に、医療機関を受診して新しい製品の処方を受けてください。




問231(衛生)
この症状の原因となる可能性が高い特定原材料及びそれらを用いた加工食品の表示に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 食品衛生法で、当該原材料を含む旨の表示が義務付けられている。


2 現在、表示が義務付けられている特定原材料は、えび、かに、たこなど7品目である。


3 当該原材料が重量で5%以上含まれている場合に表示義務が生じる。


4 対面販売や量り売り販売の場合は、表示義務はない。


5 当該原材料を使用した食品添加物については、表示が免除されている。

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問 230    
問 231    

 e-REC解説

給食後、体育の授業中に、顔面、頚部、体幹にじん麻疹が突然出現し、意識消失していることから、食品に含まれるアレルゲンの小腸からの吸収が運動により促進され、アナフィラキシーを発現したと考えられる。

問230 解答 1、3

1 不適切
アナフィラキシー症状がみられ、本人が自己注射できない場合、その他の者(保護者、教職員など)が注射する必要がある。

2 適切
本剤は、アナフィラキシー発現時の補助治療薬であるため、症状を一時的に改善することは可能であるが、アナフィラキシー症状を根本的に治療することはできない。よって、本剤使用後は、症状が改善しても必ず医療機関で診察を受けるように指導する必要がある。

3 不適切
本剤は、大腿部の前側部の位置に注射する。なお、本剤を大腿部の前側部以外に使用しないこととされている。

4 適切

5 適切


問231 解答 1、4

特定原材料とは、特にアレルギーを起こしやすいとされる食品のうち、発症数・重篤度から考えて、表示する必要が高いものとして表示が義務化された7品目のことである。

1 正
前記参照

2 誤
えび、かに、卵、乳、小麦、そば、落花生は、特定原材料であるが、たこは特定原材料ではない。

3 誤
特定原材料が含まれている場合、含量が微量な場合であっても表示する必要がある。

4 正
対面販売や量り売り販売の場合は、特定原材料の表示義務はない。なお、あらかじめ袋や箱等の容器包装に入れられたすべての加工食品に対して、特定原材料の表示義務がある。

5 誤
特定原材料を使用した食品添加物についても、表示する必要がある。

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