令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 234,235

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問 234  正答率 : 69.2%
問 235  正答率 : 55.7%

 国家試験問題

国家試験問題
55歳男性。身長165 cm、体重46 kg。脳血管障害により3年前から寝たきりの状態となり自宅療養中であった。ベッドから誤って転落し、大腿骨を骨折したため、入院となった。入院時、仙骨部に褥瘡が認められ、病態としては黄色期と判断されたことから、褥瘡チームが介入した。褥瘡チームが回診で確認したところ滲出液、創周囲の感染徴候が認められた。

問234(実務)
褥瘡チームの薬剤師による医師への提案として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 急性期の病態と考えられることから、積極的な薬物治療は行わず、経過観察する。


2 抗菌薬を全身投与する。


3 スルファジアジン銀クリームを患部に塗布する。


4 精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏を患部に塗布する。


5 クロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏を患部に塗布する。




問235(衛生)
褥瘡治療においては、必要なエネルギー量と摂取タンパク質量を考慮することが重要であるため、NST(Nutrition Support Team)の薬剤師が介入することとなった。この患者に必要な栄養投与量は、総エネルギー量が体重1 kgあたり30 kcal、タンパク質摂取量が1日あたり60 gである。この場合の非タンパク質カロリー/窒素比(NPC/N比)として最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、タンパク質の窒素含有率は16%とする。

1 100


2 120


3 140


4 160


5 180

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問 235    

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問234 解答 3、4

本患者の褥瘡の病態のように、滲出液、創周囲の感染徴候が認められる褥瘡に対しては、感染制御を目的としてスルファジアジン銀クリームや精製白糖・ポビドンヨード配合軟膏などの塗布を行う必要がある。なお、選択肢2の抗菌薬の全身投与は、褥瘡から生じる感染症(筋膜炎、骨髄炎など)を疑わせる発熱・白血球増加などの全身症状が見られる時に行う。また、選択肢5のクロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏は外用副腎皮質ステロイド剤のため、皮膚感染症に対しては禁忌である。


問235 解答 2

本患者の非タンパク質カロリー(NPC)は、タンパク質のAtwater係数は4 kcal/gとして以下のように計算される。
総エネルギー量が体重1 kgあたり30 kcal、タンパク質摂取量が1日あたり60 gより
NPC: 30 kcal/kg×46 kg -60 g×4 kcal/g=1140 kcal

また、窒素量(g)は、タンパク質の窒素含有率が16%から以下のように計算される。
1日タンパク質摂取量60 g中のN量(g):60 g×0.16=9.6 g

よって、NPC / N比は以下のように計算される。
NPC / N(kcal/g)=1140 kcal /9.6 g=118.75 kcal/g

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