平成31年度 第104回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 236,237

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問 236  正答率 : 77.4%
問 237  正答率 : 51.2%

 国家試験問題

国家試験問題
58歳男性。CD20陽性のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断され、R−CHOP療法による治療が行われることになった。

問236(実務)
R−CHOP療法時に用いられる注射剤のうち、ヒトで催奇形性又は発がん性が報告されている、あるいは疑われており、かつ揮発性を有するため、薬剤調製時に閉鎖式接続器具の使用が最も望ましいのはどれか。1つ選べ。

1 リツキシマブ


2 グラニセトロン塩酸塩


3 シクロホスファミド水和物


4 ドキソルビシン塩酸塩


5 ビンクリスチン硫酸塩




問237(衛生)
前問で選んだ薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

1 直接発がん物質である。


2 ナイトロジェンマスタードの誘導体である。


3 シトクロムP450により代謝的活性化を受け、DNAをアルキル化する。


4 エポキシ体の形成を介してDNA付加体を形成する。


5 発がんプロモーション作用を有する。

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問 236    
問 237    

 e-REC解説

問236 解答 3

閉鎖式接続器具とは、薬剤を移し替える際に、外部の汚染物質が混入することを防ぐと同時に、危険性医薬品より発生するエアロゾルが漏れ出すことを防ぐ機械構造を有する器具である。選択肢にある注射剤のうち、ヒトで催奇形性又は発がん性が報告あるいは疑われているのは、シクロホスファミド水和物、ドキソルビシン塩酸塩、ビンクリスチン硫酸塩である。このうち、シクロホスファミド水和物は常温で気化しやすいため、薬剤調製時に閉鎖式接続器具の使用が望ましい。


問237 解答 2、3

1 誤
シクロホスファミドは、ナイトロジェンマスタードの誘導体であり、シトクロムP450により代謝活性化を受け、DNAをアルキル化する二次発がん性物質である。

2 正
解説1参照

3 正
解説1参照

4 誤
シクロホスファミドは、シトクロムP450により水酸化を介して、DNAをアルキル化する。

5 誤
シクロホスファミドの発がんプローモーション作用は報告されていない。

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