令和06年度 第109回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 236,237

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問 236  正答率 : 95.0%
問 237  正答率 : 57.1%

 国家試験問題

国家試験問題
猛暑日が続き、連日にわたって熱中症警戒アラートが発表されているため、多くの人がドラッグストアに病者用食品の経口補水液を購入に来た。購入希望者から薬剤師に、脱水や熱中症への対策について相談が度々あった。

問236(実務)
薬剤師が、購入希望者に対して行う、脱水や熱中症に関する説明内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 室内で過ごしていれば、熱中症になることはありません。


2 喉の渇きを感じるまで、水分補給は必要ありません。


3 経口補水液を飲み過ぎると、ナトリウムの過剰摂取につながる恐れがあります。


4 めまいや大量の発汗、筋肉のこむら返りなどの初期症状に注意してください。


5 この経口補水液は病者用の食品であるので、医師の診断を受けてから摂取してください。




問237(衛生)
この経口補水液に表示されているマークはどれか。1つ選べ。

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問 236    
問 237    

 e-REC解説

問236 解答 3、4

1 誤
近年、熱中症発生場所の約4割は室内である。室内での熱中症は、室温や湿度の上昇などの環境要因で起こるほか、屋外での活動後に室内で適切に体を冷やすことができない場合になることもある。

2 誤
脱水や熱中症を予防するためには、こまめな水分・塩分補給が必要である。

3 正
経口補水液にはナトリウムなどの電解質が含まれているため、経口補水液を飲み過ぎると、ナトリウムの過剰摂取につながる恐れがある。

4 正
熱中症の初期症状としてめまい、大量の発汗、筋肉の硬直、一時的な失神などがあり、症状が進行すると頭痛、吐き気、倦怠感、意識障害、けいれんなどが現れることがある。

5 誤
病者用食品は、特別用途食品のうち特定の疾病のための食事療法上の期待できる効果の根拠が医学的、栄養学的に明らかにされている食品のことであり、摂取に医師の診断は不要である。しかし、適切な摂取のためには、医師・管理栄養士などの相談指導等を得て摂取することが望ましい。


問237 解答 4

1 誤
特定保健用食品のマークである。特定保健用食品とは、食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品であり、消費者庁長官の許可を受けたものをいう。

2 誤
条件付き特定保健用食品のマークである。条件付き特定保健用食品とは、特定保健用食品の審査で要求している有効性の科学的根拠のレベルには届かないものの、一定の有効性が確認される食品を、限定的な科学的根拠である旨の表示をすることを条件として消費者庁長官の許可を受けたものをいう。

3 誤
JASマークである。JASマークは、食品・農林水産分野において農林水産大臣が定める国家規格であり、日本農林規格(JAS規格)に合格した食品に表示される。なお、JAS規格とは、国内市場に出回る食品および農林水産品の品質や仕様を一定の範囲と水準に揃えるための基準、産品の生産やプロセスなどを制定したものである。

4 正
特別用途食品(特定保健用食品を除く)のマークである。特別用途食品(特定保健用食品を除く)は、乳児の発育や、妊産婦、授乳婦、えん下困難者、病者などの健康の保持・回復などに適するという特別の用途について表示を行う食品であり、消費者庁長官の許可を受けたものをいう。

5 誤
HACCP(hazard analysis and critical control point)承認マークである。HACCP承認マークは、営業者が HACCP の考え方に基づいて自ら設定した食品の製造又は加工の方法及びその衛生管理の方法について、厚生労働大臣が承認基準に適合することを個別に確認するものである。なお、HACCPとは、営業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、それらの危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保しようとする衛生管理の手法である。

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