平成28年度 第101回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 242,243

Pin Off  未ブックマーク    |  |  |   
問 242  正答率 : 50.0%
問 243  正答率 : 44.4%

 国家試験問題

国家試験問題
学校薬剤師が、小学校の屋外にあるプールの水質検査を、プールの対角線上の3点の水面下20 cmのA、B、Cで実施した。結果は下表の通りであった。
スクリーンショット 2016-09-27 12.51.20.png


問242(実務)
学校薬剤師が行う説明として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 プール水の遊離残留塩素が基準を満たしていないと指摘した。


2 プール水のpHが基準を満たしていないと指摘した。


3 遊離残留塩素の基準を満たすことはプール熱の発生予防や、クリプトスポリジウムの増殖予防に有効であると説明した。


4 晴天時、紫外線の強いときは遊離残留塩素の消費が高まると説明した。




問243(衛生)
プール水の検査項目でないのはどれか。1つ選べ。

1 塩化物イオン
2 大腸菌
3 一般細菌
4 過マンガン酸カリウム消費量

5 総トリハロメタン

 解説動画  ( 00:00 / 07:07 )

限定公開

 ビデオコントロール

 解説動画作成を要望!

 解答を選択

問 242    
問 243    

 e-REC解説

問242 解答 1、4

1 正
水泳プールに係る学校環境衛生基準では、遊離残留塩素濃度は0.4 mg/L以上また、1.0 mg/L以下であることが望ましいとされている。よって、A、B、Cいずれにおいても遊離残留塩素濃度が0.4 mg/Lを超えていないため、プール水の遊離残留塩素は基準を満たしていない。なお、水泳プールに係る学校環境衛生基準では、結合残留塩素濃度は項目に含まれていない。

2 誤
水泳プールに係る学校環境衛生基準では、pHは5.8以上8.6以下と定められおり、A、B、Cいずれも基準を満たしている。よって、学校薬剤師は、プール水のpHは基準を満たしていると説明するのが適切である。

3 誤
遊離残留塩素の基準(0.4 mg/L以上)を満たすことで、プール熱の発生を予防することが可能である。しかし、クリプトスポリジウム原虫は塩素消毒に抵抗性を示すため、遊離残留塩素の基準を満たしても増殖予防にはならない。なお、クリプトスポリジウム原虫の増殖予防には、水の煮沸処理が有効である。

4 正
遊離残留塩素である次亜塩素酸は、紫外線によって塩素と酸素に分解される。よって、晴天時、紫外線の強いときは遊離残留塩素の消費が高まる。


問243 解答 1

プール水の検査項目でないのは塩化物イオンである。なお、水泳プールに係る学校環境衛生基準は、学校保健安全法において以下のように定められている。
スクリーンショット 2016-09-27 12.51.27.png

 Myメモ - 0 / 1,000

e-REC 過去問解説システム上の [ 解説 ] , [ 解説動画 ] に掲載されている画像・映像・文章など、無断で複製・利用・転載する事は一切禁止いたします