令和08年度 第111回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 246,247

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問 246  リアルタイム正答率 : 56.1%
問 247  リアルタイム正答率 : 63.6%

 国家試験問題

国家試験問題
79歳男性。身長165 cm、体重47 kg。口渇が著明で、発熱や咳嗽を主訴に総合病院を受診し、入院後に誤嚥性肺炎と診断され、入院当日から処方1による治療が開始された。

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喀痰培養検査で、Klebsiella pneumoniaeが同定され、薬剤感受性試験の結果は以下のとおりであったが、肺膿瘍は認められなかった。

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この結果を踏まえて、新たな抗生物質の投与により、誤嚥性肺炎は軽快に向かったが、軽度の舌苔が認められた。含嗽はしていたが、12日目より口腔咽頭カンジダ症を発症したため、処方2が追加となった。

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また、食事摂取困難な日が継続していたことから、栄養摂取方法について検討がなされた。


問246(実務)
本症例における薬剤師の対応として正しいのはどれか。1つ選べ。

1 薬剤感受性試験結果より、処方1の薬剤をピペラシリンへ切り替えるよう提案した。


2 新たな抗生物質への切り替え後は、少なくとも30日以上投与することを提案した。


3 処方2の薬剤は、服薬時に数秒間口に含み、口腔内全体に行き渡らせた後に嚥下する旨を患者に指導した。


4 食事摂取困難の対応として、フルカリック輸液(注)を末梢静脈から投与するよう提案した。


5 誤嚥が認められた場合の対応として、ジフェンヒドラミンの使用を提案した。


(注:総合ビタミン・糖・アミノ酸・電解質を含む高カロリー輸液)


問247(薬理)
処方1又は2に含まれる薬物が阻害するのはどれか。2つ選べ。

1 トランスペプチダーゼ


2 Ⅱ型トポイソメラーゼ


3 ラノステロールC-14脱メチル化酵素


4 1,3-β-D-グルカン合成酵素


5 スクアレンエポキシダーゼ

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問 246    
問 247    

 e-REC解説

問246 解答 3

1 誤
薬剤感受性試験の結果より、ピペラシリンは「Resistant(耐性)」であるため、ピペラシリンへの変更は適切ではない。

2 誤
誤嚥性肺炎に対しての抗菌薬の投与は、原則5〜7日間とされている。また、14日以上の長期投与は、副作用によるADL(日常生活動作)低下や耐性菌リスクがあるため推奨されていない。

3 正
イトラコナゾール経口液を口腔咽頭カンジダ症に用いる場合、数秒間口に含み、口腔内に薬剤を行き渡らせた後に嚥下することとされている。

4 誤
高カロリー輸液は高張液であり、細い血管である末梢静脈へ投与すると血液によって十分な希釈が起こらず浸透圧が高い状態のままになってしまうため、痛みを伴う静脈炎が起こりやすい。そのため、高カロリー輸液は一般に中心静脈へ投与する。

5 誤
ジフェンヒドラミンは、抗ヒスタミン薬であり、抗コリン作用を有する。抗コリン作用により唾液分泌量が低下すると、口腔や咽頭の潤滑が損なわれ、食物が咽頭に残留しやすくなるため、誤嚥のリスクが高まる。よって、誤嚥が認められた患者に対してジフェンヒドラミンの使用を提案することは適切ではない。なお、誤嚥が認められた場合には、食事形態の調整や嚥下訓練などを行う。


問247 解答 1、3

1 正
アンピシリンは、β-ラクタム系抗生物質であり、細胞壁合成酵素であるトランスペプチダーゼ(ペニシリン結合タンパク質:PBP)と結合して、細胞壁合成を阻害することで抗菌作用を示す。

2 誤
Ⅱ型トポイソメラーゼ(DNAジャイレース)を阻害する薬物には、ニューキノロン系抗菌薬のレボフロキサシンなどがある。レボフロキサシンは、細菌のDNAジャイレースおよびトポイソメラーゼⅣを阻害することで、DNA複製を抑制する。

3 正
イトラコナゾールは、アゾール系抗真菌薬であり、ラノステロールC-14脱メチル化酵素を阻害し、真菌細胞膜の主要構成成分であるエルゴステロールの生合成を抑制する。

4 誤
1,3-β-D-グルカン合成酵素を阻害する薬物には、キャンディン系抗真菌薬のミカファンギンなどがある。ミカファンギンは、真菌細胞壁の主要構成成分である1,3-β- D-グルカンの生合成を抑制する。

5 誤
スクアレンエポキシダーゼを阻害する薬物には、アリルアミン系抗真菌薬であるテルビナフィンなどがある。テルビナフィンは、スクアレンエポキシダーゼを阻害することで、真菌細胞膜の主要構成成分であるエルゴステロールの生合成を抑制する。

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