平成26年度 第99回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 248,249

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問 248  正答率 : 61.3%
問 249  正答率 : 62.5%

 国家試験問題

国家試験問題
40歳男性。心室頻拍・心室細動の既往歴がある。内科診療所にて、ピロリ菌の除菌を行うこととなった。また、同時に貧血があることを指摘され、除菌と同時に治療することとなり、以下の薬剤が処方された。
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問248(薬理)
処方された薬剤の作用に関する記述として、いずれの薬剤にも該当しないのはどれか。1つ選べ。

1 酸性条件下で、H,K−ATPaseを可逆的に阻害する。


2 細菌のリボソームに結合し、タンパク質合成を阻害する。


3 細菌のトランスペプチダーゼを阻害し、細胞壁合成を阻害する。


4 腸内細菌叢を正常化し、整腸作用を示す。


5 鉄欠乏性貧血患者において、血清鉄を増加させる。




問249(実務)
上記処方の中で、この患者の既往歴に対して最も注意が必要な薬剤はどれか。1つ選べ。

1 ランソプラゾールカプセル


2 アモキシシリンカプセル


3 クラリスロマイシン錠


4 酪酸菌錠


5 クエン酸第一鉄ナトリウム錠

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問 248    
問 249    

 e-REC解説

問248 解答 1

1 いずれの薬剤にも該当しない。
処方された薬剤のうち、ランソプラゾールカプセルは酸性条件下でH,K−ATPaseを非可逆的に阻害する。しかし、H,K−ATPaseを可逆的に阻害する薬剤は本処方中に存在しない。

2 クラリスロマイシン錠に関する記述である。
本処方中のクラリスロマイシン錠はマクロライド系抗生物質であり、細菌リボソームの50Sサブユニットに結合してタンパク質合成を阻害する。

3 アモキシシリンカプセルに関する記述である。
本処方中のアモキシシリンカプセルはペニシリン系抗生物質であり、細菌のトランスペプチダーゼを阻害して細胞壁合成を阻害する。

4 酪酸菌錠に関する記述である。
本処方中の酪酸菌錠は、腸内の有害菌の発育抑制と有用菌の保持を通じて腸内細菌叢を正常化し、整腸作用を示す。

5 クエン酸第一鉄ナトリウム錠に関する記述である。
本処方中のクエン酸第一鉄ナトリウム錠は、経口投与で消化管から吸収され、血清鉄を増加させる。


問249 解答 3

本患者は心室頻拍・心室細動の既往歴があるため、QT延長や心室頻拍、心室細動を副作用にもつクラリスロマイシンを投与する場合は注意が必要である。

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