令和08年度 第111回 薬剤師国家試験問題
一般 実践問題 - 問 256,257

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問 256  リアルタイム正答率 : 80.4%
問 257  リアルタイム正答率 : 84.3%

 国家試験問題

国家試験問題
77歳男性。身長165 cm、体重61 kg。10年前に腎硬化症と診断され、処方1〜4の薬剤で治療中である。

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しかし、半年前から腎機能が徐々に低下してきたため、食事制限を行った。患者は腎代替療法として血液透析を希望しており、透析シャント形成のために入院となった。また、入院前日に同院内で歯科治療を受け、処方5が追加され服薬していたが痛みは持続している。入院時の血液検査結果は以下のとおりであった。

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(検査値)
血清クレアチニン 7.4 mg/dL、CCr 7.2 mL/min、K 5.9 mEq/L、
Ca 9.2 mg/dL、P 3.1 mg/dL、HCO324.1 mEq/L、
Hb 9.8 g/dL、血液 pH 7.39、血圧 180/110 mmHg

問256(実務)
この患者に伝える内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

1 体の中の酸とアルカリのバランスが整ってきており、処方1の薬剤の内服継続が必要であること。


2 血液透析導入後は食事制限がなくなること。


3 処方3及び4の薬剤を服用中は立ちくらみ症状に注意すること。


4 処方5の薬剤は1時間空ければ、繰り返し服用可能であること。


5 血液透析を開始した後は、ダプロデュスタットによる治療が不要になること。




問257(薬理)
検査値からこの患者は高カリウム血症と判断できる。その原因と考えられる処方1〜3に含まれる薬物の作用機序はどれか。1つ選べ。

1 電位依存性L型Ca2+チャネルの遮断


2 低酸素誘導因子−プロリン水酸化酵素(HIF-PH)の阻害


3 ビタミンD受容体の刺激


4 アドレナリンα1受容体の遮断


5 アンジオテンシンⅡAT1受容体の遮断

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問 256    
問 257    

 e-REC解説

問256 解答 1、3

1 正
入院時の血液pHは7.39(基準値:7.35〜7.45)、HCO3は24.1 mEq/L(基準値:22.0〜26.0 mEq/L)と正常域まで改善しており、炭酸水素ナトリウム錠による代謝性アシドーシスの補正が奏功していると考えられる。ここで内服を中断すると再び代謝性アシドーシスになるおそれがあるため、内服継続が必要である。

2 誤
血液透析導入後もカリウム・リン・水分・塩分などの食事制限は原則として継続する必要がある。

3 正
処方3のアムロジピン錠、オルメサルタン錠、処方4のドキサゾシン錠はいずれも血管拡張作用を有しており、起立性低血圧による立ちくらみを起こすことがあるため、注意を促す必要がある。

4 誤
アセトアミノフェン錠の投与間隔は4~6時間以上あけることとされている。

5 誤
ダプロデュスタットなどのHIF-PH阻害薬は、透析患者などの腎障害患者で不足しているエリスロポエチンの産生を促進させる薬物であるため、血液透析導入後も継続して服用する必要がある。


問257 解答 5

1 誤
アムロジピンに関する記述である。アムロジピンは、電位依存性L型Ca2+チャネルを遮断し、血管拡張作用を示す。

2 誤
ダプロデュスタットに関する記述である。ダプロデュスタットは、低酸素誘導因子-プロリン水酸化酵素(HIF-PH)を阻害し、低酸素誘導因子(HIF)の分解を抑制することで、エリスロポエチン産生を促進させる。

3 誤
アルファカルシドールに関する記述である。アルファカルシドールは、ビタミンD受容体を刺激し、腸管からのカルシウム吸収を促進する。

4 誤
ドキサゾシンに関する記述である。ドキサゾシンは、アドレナリンα1受容体を遮断し、血管拡張作用を示す。

5 正
オルメサルタンに関する記述である。オルメサルタンはアンジオテンシンⅡAT1受容体を遮断することで、アルドステロンの分泌を抑制するため、遠位尿細管でのカリウム排泄が低下し、高カリウム血症を引き起こす。

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